シトシトシトと雨が降りつづきビルが霞んで見えます。今日はあまり気温が上がらない予報で、涼しい一日になりそうです。
巨樹の歴史を知ろう!第4回目はケヤキです。園内には約130本のケヤキが植栽されていますが、なかでも「大ケヤキ」の愛称で親しまれているケヤキをご紹介します。
「大ケヤキ」はイギリス風景式庭園(場所ナンバーN3付近)にあり、樹高17メートル、幹回り6メートルにもなる大木です。江戸時代に植えられたもので、樹齢400年ほどと言われています。
新宿御苑の歴史の始まりは、徳川家康が江戸に入った翌年の天正19年(1591)にさかのぼります。譜代の家臣内藤家2代目の清成は、多年の功労と江戸城西門警固の功績を認められ、現在の新宿に屋敷地を拝領し、御苑の地は下屋敷となりました。高遠藩主内藤家の下屋敷は、のどかな田園風景そのままの庭園で、地域の住民とともに楽しむ憩いの庭として親しまれていたようです。そんな江戸時代に植栽された「大ケヤキ」は、明治、大正、昭和、平成と移り行く時代の中で変化していった新宿御苑を見守ってきた存在です。
「大ケヤキ」は昭和34年(1959)、新宿御苑の一般公開10周年を記念して『新宿御苑 名木10選』のひとつにも選ばれています。現在は樹木治療の為に幹に包帯を巻かれた姿がトレードマークになっています。
大切に守られ堂々と佇む「大ケヤキ」を見上げながら江戸時代に思いを馳せてみませんか?
2017年8月16日 13:13