ツツジ山の一角に、独創的な形の老木があるのをご存知でしょうか?この木は北アメリカ原産の落葉高木アメリカキササゲです。新宿御苑の記録では、明治7年(1874)にラクウショウやヒマラヤシーダーとともに種子を輸入して栽培したのがはじまりとされており、この木は、その当時に植えられたものと言われています。
新宿御苑の歴史を物語る樹木のひとつということから、昭和34年(1959)には新宿御苑の一般公開10周年を記念して『新宿御苑 名木10選』のひとつにも選ばれました。ところが、数十年前の落雷により、幹が折れてしまいました。残っている幹だけでも、樹高6メートル、幹回りはおよそ440センチにもなり、落雷被害を受ける前、かなりの巨木で、この場所にそびえていたことが想像できます。
アメリカキササゲは、その後、樹木治療がほどこされ、何とか一命をとりとめました。現在は、名木のアメリカキササゲを中心として両隣にも1本ずつ、ひこばえがすくすくと生長し春には花を咲かせ、私たちを魅了しています。ひこばえに続いていく太い根に生命力の強さを感じますね。
(2016年5月31日撮影)
復活した名木アメリカキササゲは、見晴らしの良い高台にどっしりと佇み、園内を見守っているかのようです。
2017年8月17日 11:24