【新宿御苑開園120年と昭和100年~歴史をつなぐ】メタセコイア
新宿御苑は今から77年前の1949年5月21日に国民公園として一般公開されました。新宿御苑史において「5月」という月は、様々なターニングポイントとなっています。
また、2026年は新宿御苑開園120年であること、昭和100年にあたることで、新宿御苑の歴史のなかでも「昭和」にスポットを当て、「歴史探訪」をテーマにした連載記事を国民公園協会新宿御苑のブログやXで、歴史にちなんだ話題をご紹介していきます。
第1回【新宿御苑開園120年と昭和100年~歴史をつなぐ】皇室庭園の完成
第2回【新宿御苑開園120年と昭和100年~歴史をつなぐ】皇室庭園時代
第3回【新宿御苑開園120年と昭和100年~歴史をつなぐ】新宿御苑のキーマン「福羽逸人」
第4回【新宿御苑開園120年と昭和100年~歴史をつなぐ】皇室行事に用いられる「イチゴやランの誕生」
第5回【新宿御苑開園120年と昭和100年~歴史をつなぐ】観桜会
第6回【新宿御苑開園120年と昭和100年~歴史をつなぐ】観菊会
第7回【新宿御苑開園120年と昭和100年~歴史をつなぐ】旧洋館御休所
第8回【新宿御苑開園120年と昭和100年~歴史をつなぐ】旧御凉亭
第9回【新宿御苑開園120年と昭和100年~歴史をつなぐ】国民公園誕生
今回ご紹介するのは、「昭和」にゆかりのある木『生きている化石』ともいわれているメタセコイアです。

メタセコイアは、その三角錐の美しい樹形や紅葉の美しさから、公園樹や街路樹として植えられています。馴染みのある木ではありますが、昭和16年(1941年)に植物学者・三木茂博士が岐阜県土岐市の粘土層から植物化石を発見し、初めてその存在が発表されました。その当時は化石が発見されているだけで、約200万年前に絶滅した種として考えられていました。しかし、昭和21年(1946年)に中国で自生木が発見されてから、『生きている化石』として有名になりました。
自生木を発見したアメリカの植物学者ラルフ・チェイニーはこの木の種子から育てた苗木を昭和天皇に献上しました。
~我が国のたちなほり来し年々にあけぼのすぎの木はのびにけり~
これは昭和62年(1987年)に開催された新年歌会の際、昭和天皇が詠まれた御製の歌です。
「あけぼのすぎ(曙杉)」とはメタセコイアの和名で、戦後の日本復興を皇居に植えられたメタセコイアの成長になぞらえた歌になります。
新宿御苑には、昭和25年(1950年)に同じく植物学者ラルフ・チェイニーから2年生の苗が2本配られました。下の池の島に植栽されている樹が、当時頂いたものといわれています。
中国原産、ヒノキ科の落葉高木で、現地では高さ35メートルにもなります。下の池をはじめ、母と子の森やこども広場など園内各所に植栽されていますが、どの木も高さ30メートルと高木に育っています。

【写真中央の木がメタセコイア・下の池】
近づいて葉を観察すると、明るい緑色が美しく、柔らかな葉が太陽に照らされきらきらしていますが、秋になると赤褐色に紅葉します。煌々と輝く姿はまさしく曙のような温かみのある美しさです。

【右が秋の紅葉の様子・下の池】
冬に落葉すると堂々とした樹形を表し、カメラの被写体としても人気の木になります。

現在、インフォーメションアートギャラリーでは「新宿御苑開園120周年記念&昭和100年記念特別展」を開催しています。新宿御苑の紹介と、新宿御苑にあったゴルフコースなど、新宿御苑と昭和天皇のゆかりについて紹介する特別展です。
是非お立ち寄りください。
【日時】 令和8年4月28日(火)~令和8年6月7日(日) 9~18時
【主催】 環境省新宿御苑管理事務所
