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庭園を守るお仕事通信5月号【温室班】

庭園を守る取り組み

本日は、温室班の5月の作業から「洋ランの植え替え」をご紹介します。


主に熱帯原産のラン科植物で、観賞価値の高い美しいものを一般に「洋ラン」と呼びますが、植えたままで手をかけずにいると美しい花は咲かなくなります。1~2年ごとの定期的な植え替えが必要で、4月~5月の今が最適期です。

病気や虫などがつかないように、手洗い、ハサミやピンセットのバーナーでの熱消毒、清潔な鉢と培養土など、デリケートなランの扱いには注意を払います。

ランが呼吸しやすくなるように、水はけをよくし、表面にはえたコケ類を丁寧にピンセットなどで取り除き、傷んだり折れている根をハサミで切ります。
大きすぎる鉢だと根腐れしてしまうので同じ大きさの鉢か、もしくは一回り大きな鉢に植え替えます。

(新芽を鉢の中心部に)

ランの芽が出ている部分が根の生長していく方向です。ランは古いバルブ(茎)より前へ生長していくため、伸びる方向にスペースをとるように配置して、隙間がないように培養土を根の間に入れていきます。
最後に作業日をプレートに記入して差し込みます。

明治12年(1879)に宮内庁所轄となって以来、日本の本格的な洋ラン栽培の発祥地といわれた新宿御苑の温室。
大正から昭和のはじめにかけては、特に洋ランの交配に力を入れました。レリア シンジュクやスタンホペア シンジュク、セロジネ シンジュク、パフィオペディルム シンジュクなど、新宿の名を冠したオリジナル品種も、この頃に多数作出しました。

この時期に植え替えをする洋ランは、大小2000個を超える鉢数があります。
代々、スタッフによって大切に守り育てられてきた洋ラン。毎年この時期のバックヤードでは、植え替え作業が行われています。こうして次世代へと歴史が続いていくのですね。

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