庭園を守るお仕事通信秋号-2【菊班】
日本庭園では、11月に開催される菊花壇展に向けた準備が着々と進んでいます。
大作り花壇と懸崖作り花壇では、鉢植えの菊が咲く姿をご覧いただけますが、その他の花壇では、菊の株を地面に直接植え込んでいます。

【肥後菊花壇】
菊が美しい黒土や苔むした地面で育ち、まるで最初からその場所にあったかのように見せるのが職人の腕の見せどころです。

まず、何もなかった場所に上家(うわや)を建て、地面を美しく整えるところから始まります。


写真は「江戸菊花壇」の植え込みの様子です。
大人が3人掛かりで持つほど大きな鉢には、4~5株の菊が植えられ、27輪の花が咲くように仕立てられています。
花壇には深く大きな穴を掘り、高さに注意しながら1鉢ずつ植え込んでいきます。

次の写真は「伊勢・丁子菊・嵯峨花壇」の植え込みの様子です。
それぞれの株の高さをしっかりと測り、植えこむ位置を決めます。菊を鉢ごと植えて、高さを調整するために茎の下部をゆるやかに曲げてから上に伸ばします。
この春から数回に渡って植え替えが行われ、最終的に高さ130cm以上になるように育ててきました。
枝をまっすぐに整えながら、周りの菊との縦・横・斜めのバランスや高低差もしっかり確認しながら、花壇を仕上げていきます。


「大菊花壇」や「一文字菊、管物菊花壇」では、新宿御苑独自の植え方「手綱植え(たづなうえ)」をご覧いただけます。

手綱植えとは、神馬(しんめ)の手綱模様に見立てて、黄・白・紅の順に菊を並べる植え方のことです。新宿御苑ならではの伝統的な美しい菊花壇として、多くの来園者に愛されています。
1年以上にわたる準備期間を経て、いよいよお披露目の時が近づいてきました。
長い歳月をかけて受け継がれてきた皇室ゆかりの伝統行事。
秋のひとときに、格調高い菊の美をぜひご覧ください。
■菊花壇展■
【会期】2025年11月1日(土)~11月15日(土)
【時間】9:00~16:00(閉園16:30)
【会場】日本庭園
【主催】環境省新宿御苑管理事務所
催しについて詳しくは以下のページをご覧ください。
日本語
https://www.env.go.jp/garden/shinjukugyoen/news/topics_00113.html
English
https://www.env.go.jp/garden/shinjukugyoen/page_00032.html