小雨がぱらつき、厳しい真冬のような寒さとなった本日。今回はそんなお天気の日でも、短時間で皇居外苑を存分にお楽しみいただける、お勧め散策コース(30分)をご紹介したいと思います。

 

　出発地点は二重橋前駅B6出口を出て右手の信号を渡った馬場先濠と内堀通りの間の芝地。ベンチの後ろの堤塘にはイチヨウが28本、ヤエベニシダレが1本植栽されています。

 

　イチヨウの見頃は例年ですと4月14日頃。毎年多くの方が楽しみにしている皇居外苑のイチヨウ並木は、是非ご覧頂きたいおすすめスポットです。

 

　反対側の芝地には多くのクロマツやケヤキが植栽されている広々としたスペースとなっており、ベンチでゆっくりされるのはもちろん、レジャーシートを敷くなどしてもお過ごし頂けます。

 

　内掘通りへ出ると、道路を挟んだ向こう側に坂下門が見えます。西の丸御殿(現在は宮殿)の坂下にあった門なので、この名になりました。文久2年(1862)に老中安藤信正が6名の浪士に襲撃された、「坂下門外の変」はこの門前で起こりました。

 

　坂下門右手奥に見える三重の櫓は富士見櫓。江戸時代には将軍がこちらの櫓に登り、品川の海や両国の花火を眺めたという記録があります。明暦の大火で焼失した江戸城天守閣の代わりに江戸城のシンボル的役割を果たした櫓です。

 

　富士見櫓を過ぎるとさらに二重櫓の桜田巽櫓が見えてきます。

 

　江戸城には当時19の櫓が存在していましたが、現存する櫓は三基のみ。こちらの桜田巽櫓はその中でも一般の方が近くで見ることのできる唯一の櫓です。

 

　本丸の東南(辰巳)の方角に位置する桜田巽櫓の位置からは、奥に桔梗門、そのさらに奥に富士見櫓と、江戸城建築が三つも見ることのできるお勧めスポットです。

 

歩道側の石垣付近で、エサを啄ばもうとしているユリカモメを発見。

 

・・・残念!濠の中に落ちてしまいました。どこか悲しそうな表情。

 

　そのままお濠を左に見ながら北へ向かうと、5分ほどで大手門が見えてきます。

　大手門とは城と城下町をつなぐ門の名で、将軍が出入りする表門です。式日には諸大名は礼装して規定の共揃えをし、ここから登城していました。門と石垣は元和6年(1618)に伊達政宗が名誉ある普請として一手に引き受け、完成させました。

 

この時点でスタートから10分ほどが経過。さらに濠沿いを北へとのんびり歩いていきましょう。

 

　すると約10分ほどで、平川橋と平川門が見えてきました。江戸城三の丸の正門で、江戸城奥女中の通用門として使用されていました。有名な話では、三代将軍家光の乳母である春日局が門限に遅れ、この門前で寒い一夜を明かしたというものがあります。

 

　平川橋から進行方向へ進むと、現在は石造りとなった竹橋があります。その側に植栽されているコブシの花がようやく開花!したかと思ったら、ヒヨドリがムシャムシャと花弁を食べていました。

 

　竹橋を過ぎ、さらに坂道を登っていくと、いつのまにか石垣はぐんぐんと高くなり、高さ18メートルに。北桔橋門は江戸城の背後、本丸に最も近い地点にあるため、濠を深くし、門前の橋が跳ね上がる仕掛けになっています。

 

北桔橋門道路を挟んだ向かい側が、北の丸公園です。

 

　北の丸公園まで約30分の皇居外苑散策はいかがでしたか?短い時間の間に皇居外苑の魅力がぎゅっと詰め込まれたこのコースは、限られた時間の中で皇居外苑を楽しみたい方にお勧めです。是非ご参考ください!

 

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