歴史遺構
(皇居外苑)

皇居前広場のルーツ

江戸時代以前、この辺りは日比谷入江に面していましたが、江戸時代には埋め立てられ、武家屋敷が立ち並び「西の丸下」と呼ばれるようになりました。明治時代には、これらの屋敷が官庁の庁舎や兵舎などに使用されたりもしましたが、やがて撤去され広場化されました。その後、明治21年に至り、「皇居御造営」完成後皇居前広場のクロマツなど植栽整備も行われ、戦後、国民公園となり、現在に至っています。

現在、皇居前広場は、内堀通りから皇居側の玉砂利広場(41,600m2)と内堀通りと外堀の間にある芝生緑地(68,300m2)で構成されています。

皇居前広場

二重橋について

皇居前広場の一番人気は、「二重橋」です。多くの人が石造りの橋「皇居正門石橋」を二重橋と思われているようですが、実はその奥にある橋「皇居正門鉄橋」を二重橋と言います。

「皇居正門鉄橋」は、1614年(慶長19年)当初、二重構造(木造)であったことが、名前の由来となっています。現在の橋は、明治宮殿造営(完成明治21年)に当り、錬鉄製の橋に架け替えられ、更に昭和の新宮殿造営(竣工・昭和43年)に先立ち、架け替えられて現在に至ります。

一方、「皇居正門石橋」は、1888年(明治20年)12月、明治宮殿が竣工する前年に完成しました。

二重橋

伏見櫓

伏見櫓の名称は、豊臣秀吉が京都伏見に築いた伏見城の一部を使用したという「伝」によるものです。江戸城には、当時19もの櫓が存在しましたが、現在では、桜田巽櫓と富士見櫓の3基を残すだけです。

伏見櫓

高欄(人止柵)

二重橋の手前側に、お濠に沿い設置されたブロンズ製の高欄(人止柵)は、ギリシャ建築コリント様式で使われるアカンサス(ハアザミ)の葉をモチ-フとしており、1889年(明治21年)に完成した明治宮殿へのアプローチとして造られたものです。

高欄(人止柵)

アカンサスと石のベンチ

皇居外苑苑内各所に配置されている石のベンチは、二重橋正門石橋前高欄の台座石だったもので、古材の再利用品です。

現在の二重橋前高欄は、平成7~8年に原形復元されたものです。復元前の高欄は1888年(明治21 年)の明治宮殿御造営の際に造られたもので、鋳物製に人止柵、台座石(当時も古石材を再利用していました。)ともに老朽化が進み、高欄としての役目を果たすには危険な状態になっていました。そのため、人止柵を青銅製に、台座を新しい石に置き換え、原形復元しました。

石のベンチは古い石材が切り出されたのが、江戸城築城当時(1600年初期)だと仮定すれば、既に400年以上の歳月を経ていることになります。景観を楽しむための「視点場」としてご利用下さい。

アカンサスと石のベンチ

桜田巽櫓

桜田巽櫓

東京駅から行幸通りを抜けてまず目に飛び込んでくるのが桜田巽櫓で、本丸の東南(辰巳)の方角にあることが由来します。「石落し」(石垣よりはみ出した出窓部)や鉄砲、矢用の「狭間」を戦略的目的で備えているのが櫓の特徴です。

桔梗門

桔梗門

皇居前に広がる松の緑、その北西端にある桔梗門は、枡形城郭門と白壁の美しさを、お濠の水面に映しています。正式には、外桜田門に対し内桜田門と呼ばれますが、太田道灌時代、大手正門であったころから、瓦に施された家紋である「桔梗」にちなんで、桔梗門と呼ばれ、今日まで親しまれています。

富士見櫓

富士見櫓

どこから見ても美しいその姿から「八方正面の櫓」と呼ばれ、火事で焼失し再建されることがなかった「天守閣」に代わって、江戸城のシンボル的な役目を果たしてきました。

桜田門

桜田門

正式には、旧江戸城外桜田門と呼ばれ、1961年(昭和36年)に国指定重要文化財に登録されました。「桜田門外の変」であまりにも有名ですが、江戸時代からの遺構としても、内桜田門(桔梗門)、平川門とともに、枡形門の典型な形式を見ることができます。

大手門

大手門

江戸時代、江戸城正門として本丸大手門と呼ばれ、高麗門前には大橋が架かっていました。江戸幕府は、この一帯の左右13 町に渡る石垣や枡形門の築城を、東北の勇、伊達政宗に命じたと伝えられています。

坂下門

坂下門

江戸時代には、門前の橋を渡り、枡形門を抜けて、左の坂を登ったところに西の丸御殿(現在は宮殿)がありました。西の丸の坂下にあったことから坂下門と言われています。

和田倉橋と和田倉門

和田倉橋と和田倉門

皇居のお濠に架かる橋で江戸時代の木橋の姿が残されているのは、この和田倉橋と平川橋です。この橋より内側は、大手門や内桜田門(桔梗門)から入城する大名や武士が通行する橋で、一般人は通ることができませんでした。

和田倉噴水公園について

平川橋と平川門

平川橋と平川門

江戸城の城郭枡形門の中で、渡櫓を通って場外への出口である高麗門が2箇所あるのは平川門だけです。大奥への通用門としても知られています。

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