庭園を守るお仕事通信秋号-3【菊班】
現在、日本庭園では菊花壇展を開催中。たくさんの国内外のお客様にお楽しみ頂いています。

そして、花が咲いているまさに今しかできない仕事が、菊班にはあります。

菊栽培所の中には、日本庭園の表舞台には出なかった菊がたくさん咲いています。これらの菊を使って「新しい品種をつくる交配作業」による「系統の保存」を行っています。
野生の菊と違って、栽培菊は「一代品種」といって、子が親と同じ花になる事はありません。交配を繰り返しているので、祖先の特徴が重なっていくことにより、採れた種からはまったく別の品種が生まれます。

交配作業では、咲いている花の花粉を、梵天(ぼんてん:綿の付いた枝)につけて、別の花の雌しべにつける手順などを繰り返します。
虫たちが自然に行っていることを人の手で行い、受粉がうまくいくと種ができます。年末から年明けにかけては、枯れた花を摘み取り、乾燥させて、種をとり出します。そして、選抜した種を春に撒き、育て、どんな花が咲くかを確かめます。
現在、菊ヤードの畑に並んでいる菊は、今年の春に種から育てている菊と、品種を絶やさないように大切に管理している菊です。

この列に植わっている大菊などは、親株ごとに作出した兄妹菊が並んでいますが、じつはすべて「違う花が咲く新種」です。
大菊などは母株と父株を品種ごとに1対1で受粉させるので、同じ両親から作出された菊ごとにラベルで整理し、並べて管理しています。

この畑で育て、特に優れた菊があれば、根を掘り上げて移植し、菊花壇用に育てていきます。畑の黒い支柱はその目印です。
美しい菊花壇展を維持するため、晴れ舞台の裏でさまざまな作業に取り組んでいます。
来年も皆さまに美しい菊をご覧いただけるよう、日々の丁寧な作業を積み重ねてまいります。