【主催者あいさつ】

「2022新宿御苑フォトコンテスト入賞作品展」にご来場いただき、誠にありがとうございます。このコンテストは、カメラを通して新宿御苑の自然の素晴らしさを感じ楽しんでいただくため平成3年度から開催され、今年で31回目を迎えました。
今回は北は長野から南は福岡まで全国各地285名のみなさまから1098点の作品のご応募をいただきました。いずれも甲乙つけがたい力作ばかりでしたが、厳正な審査を経て入賞作品が選ばれました。
写真展には入賞作品とあわせて、審査にあたられた写真家の特別作品を展示いたしました。多くの方々にご覧いただき、新宿御苑の四季折々の表情と自然の美しさを楽しんでいただければと思います。
フォトコンテストの実施及び写真展の開催にあたり多大なるご支援をいただきました、環境省新宿御苑管理事務所、富士フイルムイメージングシステムズ株式会社ならびに関係各位に厚く御礼申し上げます。

一般財団法人　国民公園協会　会長　杉山　博孝

【審査員総評】

新宿御苑のフォトコンテストは、今回30回目を迎えました。
本来なら昨年が30回目でしたが、コロナ禍の影響で休止を余儀なくされ、再開を決めて作品が集まるまで、関係者は果たしてどれだけ集まるか締め切りまで気を揉みました。ところが「案ずるより産むが易し」で、前回を上回る応募作品が集まり、子どもの部は過去最多となりました。
パンデミックによる休園や入場制限と御苑が最も華やかな時期が重なりました。一年のブランクを経てこれだけの作品が寄せられるのは、御苑の多様な魅力の故でしょう。一見大きな変化がないように見える御苑も、開園百余年の年月の中で様々な変貌を遂げてきました。園内で出会った折々の光景を写し止めるのは御苑の歴史を刻む事につながります。ですから、今回応募された方も写真展をご覧の方も機会ある毎に園内を歩き、新たな表情を捉えて頂きたいと思います。

写真家　木村 正博
写真家　岡本 洋子

【環境大臣賞】

「上の池初化粧」　増見　芳隆さん
しんしんと降る雪の様子がとても東京のど真ん中とは思えない状況です。周囲の樹々や松の生えた小島が雪化粧によって繊細で美しい景観になっています。降りしきる雪も暗い水面に落ちる様子が良く捉えられています。画面構成や雪の状況など、すべてが調和した完成度の高い美しい作品です。
撮影日:2022年1月6日
撮影場所:日本庭園　上の池

【環境省自然環境局長賞】

「射光」　谷口　正明さん
玉藻池の灯篭がこんなにも美しく描写された写真は見たことがありません。湧き立つ霧に太陽の光が光芒となり、降り注ぎとても厳かで幻想的です。御苑の中に霧が立ち込める事自体が年に数回あるかないかの珍しい現象で、それに遭遇した時に詩情豊かに撮れる作者のセンスに脱帽です。
撮影日:2021年12月25日
撮影場所:玉藻池

【環境省新宿御苑管理事務所長賞】

「インバウンドの兆し」　立川　明さん
正に今の状況を表したホットな作品です。外国の方と思われる鮮やかな洋服の方や数名の方がほぼ等間隔に並んで橋を渡っているところをスナップしました。画面に小気味いいリズム感が生まれています。日本人と思われるマスクをしている方が混ざっているのもコロナ禍を象徴的に表していますね。
撮影日:2022年11月30日
撮影場所:日本庭園　上の池

【一般財団法人国民公園協会会長賞】

「午後の茶室」　今井　政男さん
楽羽亭がこのように見える場所があるのですね。ガラス戸や飾り窓のデザインを利用して空いた窓の中に向こうの木々の風景を入れるという目の付け所がいいですね。飾り窓のオレンジ色と黄色も彩を添えています。視点とフレーミングの上手さに感心しました。
撮影日:2020年10月11日
撮影場所:日本庭園　楽羽亭

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