2016新宿御苑フォトコンテスト入賞作品【特選】
「秋雪の日」 吉本 廉次郎さん
紅葉を見に来たら時ならぬ秋の雪。信州や東北なら珍しくありませんが、御苑では私も初めて目にしました。80ミリの焦点距離で傘を差した女性と紅葉に焦点を合わせ、手前の雪をぼかして降雪のイメージを強調したのが成功しています。
撮影日:2016年11月24日
撮影場所:風景式庭園
「謐(しず)け」 金井 翔平さん
母と子の森から出て、日本庭園に向かう外周林の園路が見せる静謐さに注目されたのがよかったですね。暗い常緑樹の中に、ただ一本紅葉したモミジの存在が画面を引き締めています。欲をいえばカメラの位置をもう少し下げると、タイトルの印象がさらに強まりました。
撮影日:2016年12月8日
撮影場所:日本庭園の外周林
「雀蜂・蜜蜂攻防戦」 大野 勝高さん
松の木にできた洞に巣を作ったニホンミツバチと、それを狙うスズメバチ。ニホンミツバチの団子の中には先兵のスズメバチがいるのでしょうか? 右上のスズメバチは戦況を観察しながら攻撃の機会を狙っているようにも見えます。いいチャンスに恵まれましたが、写真を撮るときはスズメバチにはくれぐれも注意してくださいね。
撮影日:2016年10月6日
撮影場所:中の池
「共生」 末吉 邦男さん
御苑の池には何種類もの亀がいますが、その中でも大型なのがスッポンです。石に上がり甲羅干しをしているスッポンの鼻先にシオカラトンボ、甲羅の上にアキアカネが止まり、自然が見せるユーモラスな光景をいいタイミングで捉えています。
撮影日:2016年7月8日
撮影場所:母と子の森
「知の空間」 津布久 郁夫さん
秋の柔らかい日差しの下、園路に設けられたベンチで読書する男性の様子にレンズを向けたのがよかったですね。右上からの木漏れ日が人物を照らし、暗く落ちた背中との対比で立体感が強調されています。
撮影日:2016年11月5日
撮影場所:風景式庭園
「11月の雪」 茅 直美さん
昨年11月の雪は途中から霙に変わり、手袋に染み込んだ水分が指先を凍えさせました。そのお蔭で御苑の紅葉は進んだようですが、この画面は始まったばかりのイイギリの黄葉と暗い常緑樹、落ちてくる雪の対比で寒々とした晩秋のイメージを強調しています。
撮影日:2016年11月24日
撮影場所:玉藻池
「深秋」 和木 通さん
下の池の小島の紅葉は、御苑の中でも秀麗さを誇っています。晩秋の昼下がり、やや西に傾いたトップライト気味の逆光を活かし、葉を透過した光で微妙な色のトーンを見せたのが成功しています。
撮影日:2016年12月3日
撮影場所:下の池
「黄昏時の光の中で」 百瀬 信男さん
閉園時間間近の芝生広場に座り込む人々を斜光線が照らし、黄色く冬枯れた芝生といい対比を見せています。澄み渡った青空にも赤味が加わり、黄昏時の光の印象がよく表現されています。
撮影日:2016年2月5日
撮影場所:芝生広場
「憩いのひと時」 小川 ゆきよさん
ティールームに射し込んだ光がテーブル上に作り出した影と、光を透かしたティーカップで印象的な画面を作り出しました。窓の向こうに見えるドコモタワーも、この場所のイメージを強調する上で効果的でした。
撮影日:2017年1月6日
撮影場所:カフェはなのき
「雨の足跡」 荻原 弘和さん
水溜りの形を足跡に見立てたのですね。そこを覗きこむ幼児と見守るお母さんの実体と、水面に映り込んだ様子を対比した構成がよかったです。二人の姿の焦点がピシッと合っているとさらによかったですね。
撮影日:2017年1月9日
撮影場所:風景式庭園