江戸城の背後を守る「北桔橋門」
今回の自分歩き・自然歩きマップ通信は自分歩きマップ掲載の旧江戸城の北側を守る最重要地点であり、現在は皇居東御苑の入り口として使われている「北桔橋門(きたはねばしもん)」をご紹介します。
出発地点は地下鉄東西線「竹橋駅1a出口」です。「北桔橋門」までは竹橋から千鳥ヶ淵に抜ける通称「代官町通り」を西へ450m進むと到着する一本道で、簡単なルートです。
出口を背にし、目の前に位置する「竹橋」を渡りましょう。
「竹橋」は徳川家康が江戸に入国する以前からあったとされています。
旧平川の流路として日比谷入江の内陸奥の船着き場でした。諸説ありますが、竹で組んだ竹舟橋という桟橋を設えていた事が、名前の由来になったと言われています。元和6年(1620)に桝形門が造られ江戸城の内曲輪15門のひとつとして警備に当たっていました。現在の姿は平成5年に改修されたものです。
竹橋を渡り代官町通り向かい側に見える建物は「東京国立近代美術館」です。
・・・目線を進行方向へ戻し歩き進めると「カンヒザクラ」が咲いていました。緋色で一重の花が下向きに開く桜です。
左手の平川濠越しに「北桔橋門」の立派な築地塀が見えてきました。
北桔橋東側の平川濠の石垣は18.5mと江戸城一の高さを誇ります。
角の部分は長方形の石を交互に積み上げる「算木積み」工法で全体に扇形のそりをつけ、力を両側の稜線方面から内側方向にかけあって強度の安定性を高める工法になっています。
高く堅固な石垣に見入っていると・・・あっという間に北桔橋門の入り口に到着です。のんびり歩いて10分です。
前方奥に見える門が、北桔橋門(高麗門)。
門手前にある北桔橋からの平川濠を見下ろすと、その高さに圧倒されます。
現在は高麗門のみが残る「北桔橋門」も江戸時代は桝形門の形式をとっていました。
天守閣背後に位置する為に有事の時以外は手前にある桔橋(木橋)を高麗門側に跳ね上げ閉門していたそうです。江戸城北側を守る最重要門であったと言えます。
高麗門には現在も桔橋を跳ね上げるための滑車が吊るしてあった4つの金具が残っています。桔橋という名称とこの金具の現存は、とても貴重な遺構です。
江戸時代と同様に賑わいをみせる「大手門」からではなく、本丸から直接外郭へと通じる唯一の門であった「北桔橋門」より皇居東御苑の散策をお楽しみください。