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新宿御苑の歴史探訪【歴史的樹木 Part2】

歴史

新宿御苑は今から75年前の1949年5月21日に国民公園として一般公開されました。御苑の歴史にとって重要な5月は「歴史探訪」をテーマにした連載記事をお届けします。
第1回目:江戸時代から未来へ
第2回目:近代農業技術の始まりと発展
第3回目:福羽逸人
第4回目:皇室庭園の完成
第5回目:パレスガーデンとしての新宿御苑
第6回目:福羽苺の誕生とラン栽培
第7回目:皇室行事「観桜会」
第8回目:皇室ゆかりの菊花壇
第9回目:国民公園誕生
第10回目:庭園様式

歴史的樹木Part2ではハクモクレン、ケヤキ、ヒマラヤスギ、イチヨウ(桜)、タイサンボク
をご紹介します。
>>新宿御苑の歴史探訪【歴史的樹木 Part1】はこちら

日本庭園のお茶室 楽羽亭の前に、新宿御苑の地が徳川家の家臣・内藤家の下屋敷であった江戸時代に植えられたと伝えられるハクモクレンの古木があります。都内随一の大木といわれるこのハクモクレンは、幹周りが約240㎝、樹高が約14mもあり、園路上までのびのびと枝を伸ばしています。

レストハウス前や風景式庭園など園内各所に約140本のケヤキが生育しています。
一般的なケヤキというと、竹ぼうきをひっくり返したような樹形がおなじみですが、新宿御苑のケヤキの多くは自然樹形のままのびのびと育っているのが特徴です。
なかでも、玉藻池近く風景式庭園のケヤキは、樹高17メートル、幹回り6メートルにもなる大木です。
新宿御苑が皇室庭園となる明治時代よりもさらに昔、高遠藩主内藤家の下屋敷があった江戸時代に植栽された木といわれています。

明治12年(1879)頃に、横浜在住のイギリス人ブルークが、インドのカルカッタより種子を取り寄せて播種したのが日本のヒマラヤスギの栽培の始まりです。その実生苗100本を新宿御苑で買い上げて植栽したといわれています。御苑では、明治27年(1894)に実生を行い、明治36年(1903)には1000本を挿し木にし、そのうち270本が活着したという記録があります。
新宿門近くのヒマラヤスギは芝生地の中ですくすくと成長し、お客様をお迎えしています。

明治14年(1881)より始まった皇室行事の観桜会は、明治16年(1883)から大正5年(1916)までは浜離宮、大正6年(1917)から昭和13年(1938)までは新宿御苑を会場としていました。
当時の新宿御苑には約70種の桜が植栽されていましたが、その後さらに全国へ桜の苗木提供を依頼し、大正8年(1919)には約160種1560本の桜を植栽したといわれています。
現在も新宿御苑を代表する桜の品種「イチヨウ(一葉)」は、ソメイヨシノが散る頃にバトンタッチを受けて、御苑の桜シーズンを彩っています。

タイサンボクは、5月終わりから7月にかけて、最大で50㎝ほどにもなる国内最大級の真っ白な花が咲きます。
温室前に植栽されているタイサンボクは、明治20~30年代に宮内省所管の新宿植物御苑時代に植えられ、国内でも古い歴史のある木といわれています。大きいもので樹高およそ20メートル、幹回り265センチにまで生長しています。4本のタイサンボクが寄せ植えされていて、まるで1本の大木のように見えます。

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