【主催者あいさつ】

「2023新宿御苑フォトコンテスト入賞作品展」にご来場いただき、誠にありがとうございます。このコンテストは、カメラを通して新宿御苑の自然の素晴らしさを感じ楽しんでいただくため平成3年度から開催され、今年で32回目を迎えました。
今回、北は北海道から南は鹿児島まで全国各203名のみなさまから812点の作品のご応募をいただきました。いずれも甲乙つけがたい力作ばかりでしたが、厳正な審査を経て入賞作品が選ばれました。
写真展には入賞作品とあわせて、審査にあたられた写真家の特別作品を展示いたしました。多くの方々にご覧いただき、新宿御苑の四季折々の表情と自然の美しさを楽しんでいただければと思います。
フォトコンテストの実施及び写真展の開催にあたり多大なるご支援をいただきました、環境省新宿御苑管理事務所ならびに関係各位に厚く御礼申し上げます。

一般財団法人　国民公園協会　会長　杉山　博孝

【審査員総評】

　長かったコロナ禍のトンネルが漸く抜けられるかと思ったら、まさかの元旦の能登半島地震。つくづく日本が災害の多い島国であることを再認識させられました。

私がこのコンテストに関わって四半世紀を過ぎましたが、その間にも台風や大雪で庭園の風景も変化しています。春の桜の開花時期も温暖化の影響か以前より早まった感がありますが、訪れる人々にホッとした一時を与えてくれる御苑の佇まいに変わりはありません。
応募点数は例年よりやや少なめでしたが、御苑らしさを写し止めた作品が数多くありました。これも新宿御苑が様々な表情を提供してくれればこそだと思いますが、みなさまが更なる傑作を生みだして頂く事を願っています。

なお今回から、並木 隆氏を新たに審査員に迎えました。新たな視点を生かし、フォトコンテストを通して、新宿御苑の魅力を発見していきますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。

写真家　木村正博
写真家　岡本洋子
写真家　並木 　隆

【環境大臣賞】

「ホコリの日」　市野瀬　英喜さん
御苑の美化のお手伝いの一環で、高校生たちが落ち葉をほうきで掃いてる珍しい状況をカメラに収めました。ホコリがたって秋の陽ざしで黄色い光芒のようになっているのが印象的です。高校生たちと御苑の関わりも見て取れ、楽しそうに作業をしているのが伝わってくるいいスナップです。
撮影日:2023年11月29日
撮影場所:整形式庭園・プラタナス並木

【環境省自然環境局長賞】

「不思議の森の御花畑」　酒井　謙二さん
ラクウショウの根本に咲くオオアマナの群落が花をつけ白い絨毯のようになると、「初夏の風を感じる気持ちのいい季節になったなあ。」と感じます。この作品はそんな心地よさと、気根のニョキニョキと、突き出た不思議な光景に感動して撮ったというのが伝わってきます。光の状況、樹々の位置などフレーミングも秀逸です。
撮影日:2018年4月21日
撮影場所:母と子の森

【環境省新宿御苑管理事務所長賞】

「花見が2倍」　須藤　茂義さん
里桜の映り込みをモチーフにしようとした視点がいいですね。ガラスの温室の前に咲く里桜を半分、映り込みを半分としたシンメトリーな構図がデザイン的で斬新です。もう少し右端をカットして左の桜を入れるともっとバランスが良くなったでしょう。
撮影日:2023年3月22日
撮影場所:新宿御苑ミュージアム

【一般財団法人国民公園協会会長賞】

「自然と人工物の共存」　前川　敦大さん
旧御凉亭の独特な屋根のデザインとそれを取り囲むような樹々を上手く取り入れて、バランス良くフレーミングしました。雪つりの松もアクセントになって、新宿御苑の庭園の美しさが表現されています。
撮影日:2023年12月6日
撮影場所:日本庭園・旧御凉亭

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