庭園を守るお仕事通信1月号【温室班】
本日は、温室班の1月の作業から「洋ランの植え替え」をご紹介します。
洋ランは、新宿御苑の宝物のひとつです。明治時代、皇室の御料地であった新宿御苑では、宮中を飾る花卉の栽培も行っていました。中でも洋ランの栽培には力を入れ、賓客接待の饗宴会場を華やかに飾っていました。
洋ランは、前へ前へと次の芽を出します。そのままにしておくと新しい芽や根っこは鉢の外にはみ出してしまいます。その為、1~2年ごとに植え替えが必要です。
洋ランは菌やウィルスにとても弱い植物なので、作業をする際には細心の注意をはらいます。一鉢作業するごとに手を洗い、使用するハサミやピンセットなどはバーナーで熱消毒し、ウイルスや病気を他の鉢に移さないようにします。
ランが呼吸しやすくなるように、表面に生えた苔などを取り除き、傷んだ根や葉など必要のない部分はハサミで切り取ります。整えた株のサイズにもよりますが今までと同じくらいの大きさか、ひとまわり大きな鉢に植え替えます。この先新しく目が出てくる方へ余裕をもたせて植え替えることがポイントです。
明治時代から代々大切に育てられてきた洋ラン。綺麗に開花したものは適宜、温室鑑賞室で展示します。年間を通して、様々なランを展示していますので、ぜひ温室へ遊びにいらしてください。