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庭園を守るお仕事通信6月号【菊班】

庭園を守る取り組み

懸崖菊花壇は大・中・小の3つの異なる大きさの菊をバランスよく飾ります。今月は6月の作業の「小懸崖菊の植え替えと管理」をご紹介します。

新宿御苑の菊花壇は、栽培している鉢ごと花壇に植え込む手法が多い中、懸崖菊花壇は鉢を見せながら飾ります。
昨年の11月に挿し芽をした苗は、生長する度に植え替えを行ってきましたが、今回は最後の植替え。本花壇に飾られる美しい化粧鉢に定植しました。

菊は基本的に上に向って茎を伸ばしますが、懸崖菊は、岩間から野菊が垂れ下がる様を表現しているので、植え替える時に根元に針金をつけて、最初は横方向に枝が伸びていくようにします。
今回の植え替えでは、鉢の縁に竹の支柱を立て、株がぐらぐら動かないように固定します。

その後目標になるラインを決めて、株全体が下向きになるように注意深く角度をつけていきます。仮止めのテープをはずし、ラフィア(ラフィア椰子の葉から採れる天然繊維)で針金に沿わせて結んでいきます。

8月上旬に摘芯をして花数を増やし、9月上旬に花が咲くタイミングを合わせるためにさらに摘芯をし、きれいな舟形になるように形を整えながら管理します。

化粧鉢はさまざまな形と色があり、なかには皇室庭園時代から伝わるものもあるそうです。

決まり事もあり、例えば白の鉢には白菊は植えないようにするというように、鉢と花の色が被らないように植えます。
また、絵の描いてあるものは、正面に絵がくるように、角があるものは、辺の部分が正面になるように、足の向きも正面になるように植え替えます。

懸崖菊花壇の鉢は控えめな存在ですが、今年の菊花壇展で、注目してご覧になるのもおもしろいですね。

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