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庭園を守るお仕事通信2月号【温室班】

開催報告・レポート

本日は、温室班の2月の作業から「洋ランの植え替え」をご紹介します。

[写真:Paphiopedilum shnjuku #192]

熱帯原産のラン科植物で、観賞価値が高く美しいものを一般に「洋ラン」と呼びます。
明治時代、新宿御苑は皇室の御料地で、皇室に供する野菜以外に宮中を飾る花卉の栽培も行っていました。賓客接待の饗宴会場を華やかにする洋ランは、特に力を注いで栽培していました。この地で作出された洋ランも多数あり、現在の温室では歴史ある品種や絶滅が心配されている原種の管理も行っています。

新しい芽は鉢の外に出て伸び始めてしまいます。そのため1~2年ごとに定期的な植え替えを行っています。

大切な洋ランに病気や虫などがつかないように扱いには注意を払います。1鉢ごとに手洗いはもちろん、ハサミやピンセットは熱消毒し、清潔な鉢と培養土を使用して植え替えます。

ランが呼吸しやすくなるように、表面に生えたコケ類を丁寧にピンセットなどで取り除き、傷んだり折れている根をハサミで切りとり水はけをよくします。
大きすぎる鉢だと根腐れしてしまうので同じ大きさの鉢か、もしくは一回り大きな鉢に植え替えます。

ランの芽が出ている部分が根の生長していく方向です。伸びる方向にスペースをとるように配置して、隙間がないように培養土を根の間に入れていきます。
最後にプレートに名前や植え替え日を記入し、鉢に差し込みます。

これから暑くなる前までに大小2000個を超える鉢の植え替えをしていきます。代々、スタッフによって大切に守り育てられてきた洋ラン。美しく咲くと栽培室から温室に移動して、皆様にご覧頂いています。次々に飾られる洋ランをお楽しみください。

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