庭園を守るお仕事通信2月号【菊班】
本日は、菊班の2月の作業から「竹の調整」をピックアップしてご紹介します。
丈の高い菊は支柱を添えることで直立します。支柱は近年ではアルミ製のものを使用することが多いですが、新宿御苑では伝統技能を受け継ぐ側面から、本花壇に飾るほとんどの種類の菊は現在でも、竹の支柱を使用しています。
支柱などの部材を作るのも菊スタッフの仕事です。冬の時期に、菊栽培管理の合間に作成しています。
使う竹は女竹という細い竹で、基準に満たない竹は最初に省き、栽培する菊に合った長さに切ります。基準に満たない竹でも破損していないものは、予備の菊の栽培などで使い、廃棄するものをできる限り少なくしています。
次に、古い鋸の刃を削って平らにした物で、竹の節の凸凹を削ぎ取ります。節から出ている凸凹で茎を傷つけないためと、この後の塗装作業のペンキの着きをよくするために行います。触るとたいへんツルツルとした手触りです。
その後、塗装します。菊よりも目立たないように、黒色の光沢のないタイプのペンキを使用し、一本ずつ丁寧にハケで塗っていき、乾いたら保管します。
本花壇に使用する竹はおおよそ2500本です。華やかに咲く菊を支える竹は目立つことはありませんが、その一本ずつがスタッフの手作りと知ると注目したくなりますね。