2020新宿御苑フォトコンテスト入賞作品【特選】
「不思議な空間」 田所 俊一さん
へ~!旧御凉亭にこんな風に反射が映りこむ場所があったのですね。今までにこのような作品は見たことがなかったので、新たな発見です。いつもの旧御凉亭が不思議な空間になっています。季節を写しこんだ背景と、女性のシルエットが美しく重なっていて、作者の美意識も感じる格調高い作品です。
撮影日:2019年3月28日
撮影場所:日本庭園 旧御凉亭
「記念撮影中」 川上 勝正さん
今年も桜の開花が記録的に早く、三月の卒業式の時期に咲いてしまいました。ソメイヨシノが満開の新宿御苑で卒業式と思われる羽織袴の女性を主役に、二人の男性が一生懸命に撮影をしている場面を捉えました。三人の関係性が気になるところでもありますが、春の日差しを浴びて清々しい青春の一コマですね。
撮影日:2020年3月24日
撮影場所:風景式庭園
「緊急事態」 三原 大和さん
今の世相を反映する写真です。まさにコロナ禍の中、閉園になった新宿御苑の門の前で立ちすくむ女性の後ろ姿に感じるものがあり、共感できます。看板に当たる光線状態やほぼ開放で撮ったと思われる撮影方法がこの作品の雰囲気とぴったりと合っています。いい状況を狙いました。
撮影日:2021年1月13日
撮影場所:千駄ヶ谷門
「妖精の隠れ処」 池田 茂昭さん
一面のドクダミの花が可愛らしいですね。花々の間から顔を出すラクウショウの気根も御苑の母と子の森らしい風景です。俯瞰的に撮って表現された緑と白のコントラストも美しく爽やかな初夏の一枚になっています。
撮影日:2018年5月26日
撮影場所:母と子の森
「スッポン浮遊」 金子 昌子さん
面白い光景を捉えました。池の中のスッポンが、ぷかぷかと空を浮遊しているようにも見えます。池に差し込む光が空を写した青い部分と、光の反射を写して黄色く輝いた部分とにうまく分かれたところをスッポンという面白いモチーフが泳いでくれました。いい場面を過不足ない安定した構図で撮りました。
撮影日:2020年9月3日
撮影場所:日本庭園 上の池
「半夏生」 難波 隆之さん
なかなか渋いモチーフを撮られました。初夏、花に一番近い葉が真っ白に変化するハンゲショウを主役にしためずらしい作品です。作者はハンゲショウにぽんと当たる光を利用して、周辺を暗く落として浮き立たせています。派手さはありませんが、味わい深い作品です。
撮影日:2020年7月9日
撮影場所:母と子の森
「小さなきょうだい」 鈴木 望さん
初秋に顔を出すツルボを狙った作品です。あえて主役の二輪をこんなに小さく扱っても、ボケを生かして芝生や背景の緑から浮き立たせることに成功していて、すごいテクニックだと思いました。なかなか大胆な構成だと思います。お見事!
撮影日:2020年9月24日
撮影場所:整形式庭園
「ご覧下さい」 中川 盛一さん
菊花壇展の懸崖菊花壇のところで腕章を付けたパークガイドがお客さんに説明している状況ですね。写真にはガイドさんの伸ばした手と顔しか写っていませんが、影を見るとたくさんの人たちが一緒に説明を聞いているのがわかります。上手い見せ方だと感心しました。ガイドさんの顔はもう少し入れてあげるとさらに良かったですね。
撮影日:2018年11月11日
撮影場所:日本庭園
「夜景、秋の上の池」 設楽 誠一さん
都会の夜空と菊花壇展のライトアップとで、上手に星景写真を撮られています。一見、明るい都会の空なので、星がほとんど見られないように思えますが、案外明るい星は写っていたので驚きました。デジタルカメラならでは、都会の御苑の夜景を見事に作品に仕上げました。
撮影日:2020年11月15日
撮影場所:日本庭園 上の池
「色づく秋」 白石 幸伸さん
黄葉したユリノキが、前を歩く外国人と思われる二人とベビーカーに覆いかぶさるように見えます。人物を入れることで木の大きさも分かりますし、歩く人物が外国の方という、昨今の御苑のグローバルに開かれた状況も表現されています。
撮影日:2020年11月13日
撮影場所:風景式庭園