2019新宿御苑フォトコンテスト入賞作品【入選②】
「そろそろ帰ろう」 高崎彰さん
秋の長い影があしながおじさんのようになりました。作者自身の影なのか、だとしたら、カメラを構えた姿ではないし、上手く撮られましたね。手を振って歩いている姿がいいですね。そしてそれに合ったタイトルも。まるで演出されたドラマの一場面を見ているようです。
撮影日:2019年11月29日
撮影場所:丸花壇近く
「いのち育む森」 大野彰則さん
秋の明るい陽射しがモミジの葉っぱを照らして輝くような赤と黄色です。背景に大木の黒い幹があるのがポイントで、それがモミジの葉っぱを浮かび上がらせています。作者はいい場面を見つけてフレーミングしたと思います。着物の模様のような美しさです。
撮影日:2019年12月3日
撮影場所:エコハウス近く
「雪吊りとビル」 池澤茂晴さん
東京ではなかなか雪が降る機会は少ないですが、松を守る雪吊りは季節の風物詩ですね。空が白いのが残念ですが、池に反射した風景に手前のモミジが秋の季節感を添えてくれています。カメラの露出を少し抑え気味にすると落ち着いた色合いになり、さらに良かったと思います。
撮影日:2019年12月6日
撮影場所:日本庭園
「借景水鏡」 道信啓子さん
ドコモタワー本体はあえて写さずに、水鏡に映った姿で表現というなかなか凝ったフレーミングです。映り込みの構図がきちんと成立するように意識して撮られているのがいいですね。風がない日ならではの作品です。
撮影日:2019年12月6日
撮影場所:日本庭園
「中の池の水鳥達」 椎橋英和さん
カモがバシャバシャと水しぶきを上げて追いかけっこをしている様子で、まるで音まで聞こえてきそうな臨場感があります。3枚一組の組み写真ですから、追いかけっこから始まって、最後は一羽になって落ち着いてというストーリー展開が面白いですね。
撮影日:2019年11月13日
撮影場所:中の池
「雨が上がって」 小林宗一さん
気象条件によっては都会の真ん中でも霧が発生することがありますね。雨が上がり、だんだん晴れてうっすらと靄がかかった中、太陽の光が差し始めて、わずかに光芒もできました。なかなか都会では見られない光景、落ち着いた雰囲気のある作品になりました。
撮影日:2014年11月29日
撮影場所:エコハウス近く
「かたらい」 菊池邦子さん
晩秋のプラタナス並木を歩く一組の男女。珍しく人がいないので、静かな二人だけの世界が構築されました。葉を落としたプラタナス並木の白い幹肌や樹形も印象的で、無人の沢山のベンチが並ぶというシチュエーションが映画のワンシーンのようです。
撮影日:2019年12月25日
撮影場所:プラタナス並木
「身だしなみ」 平川巧さん
職人さんたちが日本庭園の松の木を剪定している光景です。手間暇かけて手入れされているからこそ、美しいその姿を見せてくれるのですね。見過ごしてしまいがちな状況に注がれた視点も一つの発見ですね。タイトルの付け方も素敵です。
撮影日:2017年1月6日
撮影場所:日本庭園
「シジュウカラの水浴び」 久保田敏さん
水の飛沫がシジュウカラの体から飛び出して、ぶるっと体を震わせた瞬間をタイミングよく捉えています。ピントもきちんと合って作者の確かな力量が感じられ、安心してみていられる作品です。“私、綺麗好きでしょ”って言っているような表情にも見えてきますね。
撮影日:2018年2月15日
撮影場所:母と子の森
「たそがれ」 牧野秀志さん
春の夕暮れ、オレンジ色からブルーの空へのグラデーションがとてもきれいです。それをキャンバスにドコモタワーと、葉を落としたユリノキの樹形のシルエットが美しく描かれています。構図も秀逸でまるで一枚の絵画のような趣のある作品です。
撮影日:2019年3月26日
撮影場所:丸花壇近く