「桜吹雪」 田村　和夫さん
ソメイヨシノの終わり頃に強い風が吹くと、花弁が一斉に舞い上がる桜吹雪を目にします。ただ写し止めるとなるとなかなか難しく、中途半端な画面になりがちです。この画面は中の池周辺の桜の花弁が舞う様子を、画面上部の暗めの背景に際立たせたのが効果を上げました。
撮影日:2017年4月12日
撮影場所:中の池

「春雨」 泊り　忠昭さん
4月上旬、御苑に春の盛りを告げる桜やハナカイドウ等が先を競って花開く中で、新緑に彩られた柳が自己主張している日本庭園上の池周辺の様子がよく分かりますね。小雨の中で周囲の風景に目を配る人、レンズを向ける人など十人十色の姿もユーモラスで、御苑の季節感をよく表した画面になっています。
撮影日:2017年4月9日
撮影場所:日本庭園

「雨上がりのコンチェルト」 百瀬　信男さん
いかにも春の雨上がりの御苑らしい光景ですね。母と子の森へ続く園路から、フランス式整形庭園方向を見通せるビスタラインを覗き込むような、三者三様の実像と映り込みの対比がコミカルな印象を与える画面です。レンズを少しズームアップするか接近し、画面左下の地面を省略すると、もっと印象がスッキリしたでしょう。
撮影日:2017年4月13日
撮影場所:風景式庭園

「樹の下の少女」 西島　洋憲さん
イギリス風景式庭園のユリノキの木陰で日差しを避け、読書にいそしむ女性の姿にレンズを向け、シンプルですっきりとした画面にまとめています。緑の濃淡と黄色の衣装の色のコントラストもよく、女性の存在感を強調しています。適度に入った晴れた空も効果的でしたが、欲をいえばもうちょっと雲が少ないとよかったですね。
撮影日:2017年7月28日
撮影場所:風景式庭園

「羽休め」 今井　政男さん
2羽の白鷺が絶妙な距離を置いてそれぞれ別の方を向いています。なかなかこのように2羽がバランスよく、それもモミジの木に止まっているのは珍しいのではないでしょうか。背景の紅葉した赤や黄色の樹々の彩りも良く、一期一会のチャンスを的確に捉えています。
撮影日:2016年11月30日
撮影場所:西休憩所付近

「シャボン玉飛んだ～」 田所　俊一さん
晩秋の園内で、シャボン玉遊びに興ずる親子にレンズを向けています。シャボン玉が実にシャープに描写され、親子の楽しそうな歓声が聞こえてくるようです。やや広い画面でまとめていますが、もう少しズームアップするか、近付いてお母さんの背中より一寸左から右側でまとめると、主役である親子の姿がより際立つ作品になったでしょう。
撮影日:2017年12月5日
撮影場所:風景式庭園

「近代物と御苑の紅葉」 長谷川　博さん
日本庭園上の池畔の四阿近くからの撮影ですね。ドコモタワーも今はすっかり借景として馴染みました。紅葉の葉の間にできた空間にタワーを組み込み、変形の額縁構図としたのは効果を上げました。背景がすっきりと晴れた青空だったら、紅葉と空の色のコントラストが際立ち、より印象的になったでしょう。
撮影日:2017年12月2日
撮影場所:日本庭園

「愛に包まれて」 浅田　佑太郎さん
よく晴れた冬の日の園内で、憩いのひと時を楽しむ親子の姿にレンズを向け、ほのぼのとした温かさを感じさせる画面を作り出しています。一つの作品として完成されていますが、二人の陰にもう一人お子さんが隠れてしまっているので、カメラの位置を少し画面右方向に移し、親子三人の様子で構成できるとさらによかったですね。
撮影日:2017年11月25日
撮影場所:風景式庭園

「冬の夕雲」 小松　英雄さん
まるで竜がドコモタワーに絡みつき、空に上って行くようなイメージの画面ですね。湿度の低い冬は空気の透明度が高く、雲が作り出す様々な形と空の色のコントラストが際立ちます。沈みかけた夕日が作り出す茜色、青から群青へと変わりゆく空の色、シルエットの木々等が竜のような雲の形を強調しています。
撮影日:2017年11月25日
撮影場所:日本庭園

「ヒカリ」 須藤　茂義さん
全面を透明のガラスで覆われた、大温室に射し込む午後の光を上手に活かしています。画面上の橋の上にカップルの姿があるのも効果的で、男性の足元に入れた太陽と光を反射した水の様子が、画面を見る者の目を引き付ける効果を上げています。
撮影日:2017年12月2日
撮影場所:温室