【9/19】夏の名残、秋の兆し

夏の暑さがまだ残る一方で、ふとした瞬間に秋の気配を感じる今日この頃。
朝夕の風、木々の葉の色、足元に咲く小さな花、枝先に実るもの…。

季節は、ある日突然変わるのではなく、こうした小さな変化の積み重なりのなかで、静かに次の季節へと移ろっていくのかもしれません。
自然の移ろいを細やかに見つめた作家、徳富蘆花。『自然と人生』には、秋の風景や草木、虫の声など、季節の一瞬をとらえた文章が綴られています。
そんな蘆花が見つめた風景と同じように、今も身近なところに、季節の気配は息づいています。風のやわらぎや木々の表情、虫の声に耳を澄ませれば、夏の名残のなかにも、小さな秋を見つけることができます。
【紫に宿る秋】


北の丸公園の歩道には、夏の名残をとどめる緑のなかに、藪蘭がひっそりと花を咲かせ、小紫が枝先に美しい実を連ねています。姿は違えど、それぞれに異なる趣を纏い、夏から秋へと移ろう季節をそっと映しています。
古より人々を魅了してきた紫。その気品ある色合いにも、秋の訪れを感じることができます。
【小さな秋】


散策の途中には、馬場先広場のベンチに腰を下ろし、しばし足を休めてみるのもおすすめです。風のやわらぎや木々の表情に目を向ければ、いつもの景色のなかにも、少しずつ移ろいゆく季節の歩みを感じることができます。雀など、愛らしいものたちとの出会いも、心を和ませてくれることでしょう。


折に触れて静謐な皇居外苑で、少しずつ深まる秋を探してみてはいかがでしょうか。
足元に咲く小さな花や、枝先に色づく実など、ふとしたところに、訪れたばかりの秋を見つけていただけるかもしれません。