皇居東御苑のハナショウブが見ごろを迎えました!
連日の蒸し暑さから少し開放され、本日は朝から過ごしやすい気候となっています。
5月30日に開花状況をお知らせした皇居東御苑のハナショウブですが、約一週間が経過し現在見ごろを迎えているということで、早速撮影に向かいました。
ハナショウブが見られる二の丸庭園へ向かう道の一角に、何やら巨大な石が。実はこれ、すぐ傍に位置する「中之門」石垣修復時に交換された石材なのです。
中之門石垣の築石は、35トン前後の重量を持つ江戸城内でも最大級の巨石が使用されていたというから驚きです。
想像もつかない石の重量に圧倒されながら、二の丸庭園を目指します。
前方に現われたのは『二の丸雑木林』。昭和天皇の御発案でつくられた武蔵野の代表的な風景が感じられるこの雑木林を抜ければ二の丸庭園は目前です。
・・・気持ちの良い緑の森を抜けると、視界いっぱいに美しいハナショウブが現れました。
この菖蒲田に植えられているハナショウブは84品種。皇居東御苑造成中の昭和41年(1966)に明治神宮御苑の菖蒲田から株を譲り受けて以来、大切に守り育てているものです。
ハナショウブは山野に自生するアヤメ科のノハナショウブをもとに改良された園芸品種です。品種改良は江戸時代から盛んになり、改良された地域によって、江戸系、肥後系、伊勢系の三系統に大別され、ここには江戸系が植えられています。
今回は江戸に因んだ名称の品種をいくつかご紹介したいと思います。
まずは『御所遊(ごしょあそび)』。江戸時代に育成された品種で、やや垂れた平咲きの三英花です。
藤色地で、花弁の外側から内側にいくにしたがい、白いぼかしが入っているのが分かります。
続いて『大江戸(おおえど)』。江戸系古花の一つで、明治時代に、堀切小公園で作出され、農学博士の三好学氏が命名したと伝えられる品種です。
花弁はおだやかに大きく垂れています。
そして最後は『加茂川(かもがわ)』。江戸花菖蒲の古花の一つで、栽培は希な品種。白地に青紫の脈が入り、繊細な模様が目を引きますね。
全体的に見頃を迎えていますが、6月5日9:00時点で、まだ蕾の株もわずかにありました。ここ2~3日で全てのハナショウブが開花しそうです。
ご覧になる方はお早めにどうぞ!
参考Web:(花菖蒲データベース系統別)http://www.kamoltd.co.jp/katalog/newpage23. htm