皇居東御苑へ自然散策に出かけよう♪
寒さの底を抜けたとのニュースに皇居へのお出かけを計画されている方も多くいらっしゃると思います。今回のブログでは、国民公園協会皇居外苑主催のガイドツアーで活動しているガイドさんと共に皇居東御苑を訪れた際に見つけた、いつもとは一味違う苑内の様子をご紹介します。(画像はガイドさんと中村先生)
皇居東御苑の入り口のひとつ「大手門」へは地下鉄大手町駅C13出口を利用すると徒歩1分です。苑内へ入りすぐの場所にある大手休憩所前で見つけたのは、江戸五木のひとつに数えられた「モッコク」。幹にはこの時期には珍しく赤い実が残っていました。
三ノ門跡を進み大番所の先にある垣根。この「イヌツゲ」の実はメジロをはじめとした野鳥の好物で、撮影中もガサガサと野鳥たちの音が聞こえます。
「百人番所」から道はふたつに分かれます。天守台へは巨大な石垣が積みあがる「中ノ門跡」を進みますが、今回は右側の武蔵野の自然が残る二の丸雑木林へ進みます。
歩いていると皇居正門前で使われていた飾り電燈が置かれていますが、その近くでひっそりと育つのは「キュウリグサ」。均等に太陽の光を浴びる為に株はロゼットのかたちをしています。若い葉をもむとキュウリの香りがするようで春には大変小さく可憐な花を咲かせます。花言葉は“愛しい人へ真実の愛”!雑草だなんて簡単には呼べませんね。
昭和天皇の御発案で造られた二の丸雑木林で、まず見つけたのは毛皮をまとったような「コブシ」の冬芽。桜よりも早く白い花を咲かせます。漢字で「辛夷」でひらめく方もいらっしゃると思いますが漢方薬として使われています。
こちらは雑木林中心付近に植樹され空高く伸びるアカシデ、イヌシデ、クマシデ、キブシの様子。緑がついていない時期ですが、ついつい上ばかりを見てしまいます。
「クマシデ」の幹にはホップのような枯れた実が。
こちらは5月頃に見頃を迎えるクルメツツジに囲まれた「ケヤキ」ですが、よく見るとヤドリギが寄生しています。落葉樹に寄生しその幹から養分などを吸い取って生息するヤドリギ。鳥たちが知らず知らずに運ぶのだそう。
雑木林の先に東御苑の一般公開にあわせて九代将軍・家重時代の図面を元に復元された回遊式庭園「二の丸庭園」があります。ここにしかいない尾っぽの長い「ヒレナガニシキゴイ」が生息しているんです。
こちらは庭園の東側高台で咲く「タロウカジャ」。ピンク色の花びらの傷は鳥たちが留まった跡だそうです。
高台から見た庭園風景。気づけば西日の差す時間になっていました。江戸時代の二の丸郭には将軍の別邸や世継ぎの御殿があったそうで、まるでタイムスリップしたような眺めですね。
今回も見つけた「シジュウカラ」は胸の黒いラインが細いのでメスでしょうか?
そして、最後は、本丸へ続く坂「梅林坂」にて、うぐいす色でホワイトリングとよばれる目を持つ「メジロ」2羽の姿に出会いました。
ようやく訪れる暖かい日には、見頃を迎えるウメや歴史遺構と共に見過ごしがちな植物や野鳥の声を追いかけてのんびり散策に出かけてみてはいかがでしょうか。
皇居散策のご休憩には楠公レストハウスをご利用ください。