歴史のある像は一見の価値あり「楠木正成像」
新しい年が始まり寒さも厳しくなってきましたね。
インフルエンザが流行していますので、予防対策をしっかり行い、体調を崩さないようお気を付けください。
さて、今回の自分歩き・自然歩きマップ通信は、建武中興の立役者として名高く、かつては紙幣にも用いられた楠木正成の銅像をご紹介します。
散策のスタート地点は地下鉄日比谷線日比谷駅、または地下鉄千代田線二重橋前駅の【B6】出口。
地上へ出たら、進行方向へまっすぐ進んでいきましょう。
左手を見ると、通りに立ち並ぶオフィスビルと夕日がお濠の水面に映りこみ、思わずシャッターを切りたくなるような景観が広がっていました。
目線を前方へ戻し・・・横断歩道を渡ります。
画像奥に写るは「伏見櫓」ですが、楠木正成像へは横断歩道を渡って左へ。
すると、広い観光バスの駐車場に併設する形で、長屋造りの建物「楠公レストハウス」が見えてきます。
こちらの休憩施設では、皇居ならではの食事がお楽しみいただけるほか、皇居周辺の情報が収集できるインフォメーションコーナーや、ここでしか買うことの出来ないお土産の販売も行っていますので、お気軽にお越しください!
・・・レストハウスの向かい側をご覧いただくと、皇居外苑の一角に佇む巨大な銅像「楠木正成像」に到着です。(B6出口から約5分)
楠木正成は、南北朝時代の武将で「楠公」と敬称されます。この銅像は、正成が元禄3(1333)年、隠岐の島から還幸途次の後醍醐天皇を兵庫まで手勢を率いて出迎えたときの姿。彼の人生におけるもっとも晴れがましい時の姿として、今に伝えられています。
時は遡り、明治23(1890)年。伊予の国(愛媛県)別子銅山開抗200年を記念して、住友家が自らが経営する銅山の銅を用いて像を鋳造し献納することを志しました。
銅像の製作を依頼されたのは東京美術大学(現東京藝術大学)で木彫科の主任教授であった高村光雲(頭部担当)をはじめ、像の体部は山田鬼斎、石川光明、馬は動物の製作を得意とした後藤貞行らで、原型である木彫を製作しました。
そして、岡崎雪聲(おかざきせっせい)および杉浦滝次郎が鋳造を担当し、わが国で初めての『分解鋳造法』で「楠木正成像」は明治33(1900)年に、ここ皇居外苑に据付が完成しました。
刻苦10年の歳月を費やし完成した「楠木正成像」は、上野恩賜公園の西郷隆盛像と靖国神社の大村益次郎像をもって「東京の三大銅像」と呼称されています。
是非、台座部分も合わせ、8メートルを超す躍動感あふれる武将の勇姿をご覧になりに皇居外苑へお越しください。