江戸城跡の遺構・お濠と石垣のビュースポットを巡ろう!
「特別史跡江戸城跡」に指定されている皇居外苑・東御苑ですが、それらを巡る上で欠かせないのが、壮大なスケールの「お濠」と「石垣」です。
今回は我が国を代表する景観を構成する一つであるお濠と石垣の、おすすめビュースポットをご紹介します。
(写真は皇居 半蔵門側から撮影した桜田濠です)
まず初めにご紹介するのは、地下鉄桜田門駅3番出口を出ると目の前に広がる「桜田濠」。皆さんご存知、幕末の大事件「桜田門外の変」の舞台となった「旧江戸城外桜田門」の横に位置しています。
皇居を取り巻くお濠の中で最大の水空間を誇る桜田濠からは、皇居の深い緑と美しい石垣、そして後方に立ち並ぶビル群が一望でき、江戸情緒と近代風景をお楽しみ頂けます。
桜田濠沿いを歩かれる際は、皇居の方角を眺めてみてください。緑の堤塘をよく見ると、一段目に「腰巻石垣」、二段目に「腹巻石垣」、三段目に約3mの「鉢巻石垣」と呼ばれる三段構造の石垣、「土塁式石垣」をご覧頂けます。
場所は変わって地下鉄千代田線二重橋前駅6番出口が最寄りの「坂下門」へやって来ました。坂下門といえば、「桜田門外の変」から2年後の1862年に老中安藤信正が襲撃された事件、「坂下門外の変」が有名ですね。
坂下門向かって右手に位置する蛤濠(はまぐりぼり)から門を望む位置に立つと、「算木積み」と呼ばれる石垣の強度を守るための工法をじっくり眺めることができます。黒松や皇居の森に囲まれ静かに佇む坂下門。この場所特有の重厚な雰囲気が感じられるビュースポットです。
坂下門から濠を左手に見ながら進むと見えてくるのが、江戸城本丸の東南に位置する「桜田辰巳櫓(さくらだたつみやぐら)」。江戸時代、江戸城には19もの櫓がありましたが、現在残されている櫓は3基のみ。桜田辰巳櫓はそのうちの一つです。
櫓と石垣、お濠が美しく調和する様子が近くで撮影できるのはこの場所だけ。すぐ側に位置する交番横からベストショットを狙ってください!
最後にご紹介するのは、地下鉄竹橋駅1a出口より濠沿いの坂を上って徒歩10分。江戸城の背後を守った「北はね橋門」から平川濠を眺める景観です。北はね橋門は江戸城の城壁の中でも最も高く、18.5mあります。そんな高台からご覧頂けるのが・・・
美しく幾重に入り組む屈折箇所が見られるこの景観。雄大な石塁の石一つ一つに人力がはたらき、300年を経た現代でも、偉大さを誇っている貴重な文化遺産です。
皇居外苑・東御苑は、散策中に思いがけず素晴らしい景観に出会うことができる場所。時間帯やその日の天気によって異なる雰囲気を楽しむことができるので、自分だけのお気に入りビュースポットを是非見つけてみてくださいね!
※散策の際はこちらのパンフレットをご利用ください。