都心のオアシスで小さな秋探し
9月27日は中秋の名月でしたね。翌日28日は通常の満月に比べ明るく、大きく見える「スーパームーン」が観測され、二日続けて秋の夜空に注目された方も多いのではないでしょうか?
本日は小さな秋を探しに、北の丸公園を散策したいと思います。(写真は北の丸公園南側、内濠通りをはさんで向かい側に位置する皇居の乾門『いぬいもん』です)
乾門に背を向けると、視界いっぱいに広がる緑。都心のオアシスの名にふさわしい、癒しの公園が姿を現します。
北の丸公園のおすすめビュースポットの一つは、公園中央に位置する池と芝生の景観美。芝生地に立つ形の良いケヤキは上部が色づき、紅葉が始まっていました。こちらの池ではサギやカイツブリ、カルガモやカワセミなどの鳥類も観察することができますよ。
公園西側へ歩いて行くと、緑はさらに深まっていきます。11月も中頃になると、写真中央の「西大通り」と、その左手「モミジ林」は数種類のモミジの紅葉やツツジ、イチョウなどが鮮やかに色付いて、都内でも隠れた紅葉の名所となります。
自然が織り成す鮮やかな色の共演がはじまる前に、公園に色を添えてくれるのは木々になる実。
こちらは早春を告げる小低木、サンシュユです。北の丸公園では2月頃から春先にかけて、小さな花火のような、鮮黄色の花を沢山つけていました。実はぷるんとした光沢があり、美しいですね。別名アキサンゴとも呼ばれています。
こちらは公園の至るところでご覧頂ける、コムラサキの実。まるでグレープ味のガムか飴のように見えてしまうのは私だけでしょうか?ここまで綺麗な紫色の実も珍しいですね。枝に沿って固まるように実をつける様が、人気の理由。
こちらは樹林地や清水門近くで見られるトベラの実。熟して3裂すると、中から写真向かって左の、ねばっとした種が出てきます。トベラのねらいは、それをヒヨドリなどの野鳥が丸呑みし、周辺に糞として排泄され別の地に運ばれること。自然界、植物達の知恵や生理機能には驚くばかりです。
公園東側の吉田茂像周辺も、少しずつですが色の変化が見られるようになりました。
吉田茂像の目線の先に広がるのは、春に美しい白色と赤色の花を咲かせたハナミズキ。そのハナミズキの葉が、他の木々よりも一足先に紅葉していました。
美しい秋本番まで、もうあと少し。北の丸公園は、700種類以上の植物、50種類以上の野鳥や500種以上の昆虫が観測されるなど、都心とは思えないほど自然豊かな公園です。是非、気持ちの良い日和が多い秋の行楽シーズンには、都心のオアシス北の丸公園で、歴史探訪・自然散策をお楽しみください。
北の丸公園を散策して、疲れたらちょっと一休み → ザ・フォレスト北の丸