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庭園を守るお仕事通信冬号【菊班】

庭園を守る取り組み

菊花壇展の中でも人気の懸崖作り花壇。花壇の手前に配置している小さな鉢の懸崖(小懸崖)を、菊班は「盆栽」と呼んでいます。今回は盆栽の冬至芽の選別と植え付けについてご紹介します。

盆栽は、今年育てた親木の株から出た芽を選び、来年の懸崖作り用に育てます。挿し芽ではなく冬至芽(花の終わった株親の地下の茎から周囲に出てくる新芽)で育てる理由は、根が既に出ているため活発に生育していて、早い生長が期待できるからです。

いくつか芽が出ている中から、次のポイントをもとに最適なものを選んで、植え付けを行います。
・親木の株に近い芽は親木の性質を受け継いでいる可能性がある一方で、病気も受け継ぐ恐れがあるため、親株から遠い、鉢の外側にまわっている芽を選びます。
・先端につぼみがついているものや、枝分かれしているものは、芽の勢いが分散してしまうので避けます。
・葉が良く展開していて、新鮮で細かい根が多く出ている芽を選びます。根と葉のバランスが良いものが好ましいです。
この親株は本花壇に出ていた鉢です。花をたくさん咲かせた鉢なのでエネルギーをたくさん使った後です。そこで、冬至芽用に親木を用意して育て冬至芽をとっていきます。

活力剤を入れた水の中で、カッターを使って芽の水切りをします。切断面が綺麗だと回復も早くなります。また、扱いやすい長さにするのも目的のひとつです。

切り口に発根材と抗菌剤(石の粉)を付け、葉が多い場合は少し減らして、芽が余計なエネルギー使わないようにします。

鉢に植える時、重要なのは根に負担をかけないようにすること。これから生長するたびに何度も植え替えを行うため、鉢のどこに芽がきてもかまいません。
葉のすぐ下まで土を入れていことで発根を促します。
土は腐葉土、赤玉、燻炭、改良剤などを混ぜた水はけのよい土を使用します。生長段階に応じて配合を調整し、生長を促していきます。

活力剤を混ぜた水をたっぷり与え、隙間を通り抜けた水が馴染むまで待って、もう一回たっぷりと水を与えます。
植え付けた鉢は温室で管理され、温水を使った床暖房で温かく冬を過ごします。
今回は200鉢ほど用意する予定で、その中から15~16鉢が本花壇の展示用に選ばれます。

美しい懸崖菊花壇を飾る盆栽。来年に向けた準備が進んでいます。

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