庭園を守るお仕事通信10月号【植生班】
本日は、植生班の10月の作業から「日本庭園の手入れ」と「ハチの巣の駆除」をピックアップしてご紹介します。
新宿御苑では、毎年11月1日から15日まで「菊花壇展」を開催しており、日本庭園全体が優美な展示の舞台となります。10月になると菊班をはじめとする庭園管理チームが協力し、庭園を美しく仕上げていきます。
植生班では、芝刈り、草刈り、低木の刈込み、枯れ枝の除去などの様々な作業を行っていますが、今回は「芝の縁切り」という作業をご紹介します。
芝の縁切りでは、園路まで伸びてしまった芝生を「エッジカッター」という半月状の器具を用いてカットします。切りとった芝生は、土をしっかり落してから運び出します。
スタッフ一同、菊花壇展に向けて準備を進めています。
今の時期は、菊花壇の準備だけでなく、スズメバチの巣の駆除も増えてきます。越夏したハチの巣は大きくなり、蜂の数も増えていきます。さらに攻撃的になることから、園路脇などお客様に危険が及ぶ可能性のある巣は駆除する必要があります。
スズメバチは樹木の枝や軒先などに巣を作ることが多いのですが(オオスズメバチは例外的に地中に作ります)、意外な場所にも巣を作ることがあります。
今回は集積された発生材(剪定枝や枯れ枝など)を運び出す際に、多数のハチが出入りしているのを発見し、辺りを見回すと発生材の間に「コガタスズメバチの巣」が作られていました。
駆除するにあたっては防護服を着用したスタッフが、蜂駆除用のスプレーを使用した後、安全を確認してから巣の撤去を行いました。発生材の中に巣を作ったため、重機を用いて周辺の枝木を崩し、再び巣ができないようにしました。
園内におけるスズメバチの巣の駆除は、年間で20個前後行っています。
植生班のスタッフは、細やかな手入れや安全対策を通じて、ご来園の皆さまが安心して快適に過ごせる環境づくりに努めています。
ぜひ、新宿御苑の美しい日本庭園で、秋ならではの風情を楽しんでくださいね。