ワークショップ「カイコで学ぶ!遺伝のふしぎ」が開催されました
6月23日(日)、インフォメーションセンター2階レクチャールームで、ワークショップ「カイコで学ぶ!遺伝のふしぎ」が開催されました。
東京農工大学博物館で活動する、農工大の大学生・大学院生で構成される団体「musset(みゅぜっと)」が講師をつとめ、小中学生向けに解説を行いました。
まずはじめに、カイコの幼虫の観察をしました。
皮膚の色は白、黒、黄色、透明、焦げ茶色などさまざまで、さらに斑紋やしましまなど、いろいろな模様があります。
足の色には白、黄色があります。
シルクを作る「カイコ」と聞くと、体も繭も真っ白なものをイメージしがちですが、じつは、体の色や模様、繭の色、大きさなど、さまざまなものがいます。
これらのカイコや繭の特徴の違いは全て「遺伝」によって決まります。
遺伝とは、両親から子どもに特徴を伝える現象のことです。
メンデルの法則には、遺伝にかかわる3つの法則(分離・顕性・独立)があり、それぞれが関わりながら、カイコの幼虫の特徴、そしてカイコが作るまゆが変化します。
カイコの幼虫の観察に続いて、幼虫や繭の個性ゆたかな特徴が、遺伝によってどのように変化するかを学びました。
カイコは初めて「メンデルの法則」が成り立つことが証明された動物でもあります。
発見したのは外山亀太郎で、東京農林学校(後に東京農工大学農学部、東京大学農学部などが発祥)を卒業し、日本の遺伝学者・農学博士として活躍しました。
東京農工大学が誕生したのは、現在の新宿御苑の地です。
1874年(明治7年)に、内務省勧業寮内藤新宿出張所に置かれた農事修学場と蚕業試験掛が、東京農工大学の農学部、工学部それぞれのルーツです。
内務省勧業寮内藤新宿出張所のあった場所は、その後宮内庁に移管されて植物御苑となり、現在は新宿御苑として多くの方に親しまれています。
6月30日(日)まで、インフォメーションセンター館内のアートギャラリーでは、東京農工大学の創基150周年を記念した共催企画展示も開催しています。
歴史とサイエンスに触れていただける楽しい企画となっていますので、ぜひご来場ください。
>『国立大学法人東京農工大学創基150周年記念特別展「國を紡ぐ~東京農工大学はじまりの地から未来を見つめる~」』のご案内はこちら