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東京農工大学創基150年記念講演「共生 虫と関わる生き物たち」

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新宿御苑は、国立大学法人東京農工大学の誕生の地です。
1874年(明治7年)に、内務省勧業寮内藤新宿出張所に置かれた農事修学場と蚕業試験掛が、東京農工大学の農学部、工学部それぞれのルーツです。
その後、宮内庁所管の新宿植物御苑を経て、国際外交拠点のパレスガーデンとなり、昭和24年(1949)に国民公園「新宿御苑」として一般開放され、現在に至ります。

2024年は東京農工大学が創基150周年を迎えるにあたり、創基の地である新宿御苑との共催で、東京農工大学の教員による講演会を開催します。

本日は東京農工大学農学部応用生物化学科教授 井上真紀氏による講演「共生 虫と関わる生き物たち」を開催しました。
研究室では、昆虫、植物、微生物の共生の研究を行っています。

生き物は生き物同志関わり合いながら生きています。違う生物同士が密接な関係で一緒に生活すること、また、互いに相手の村税により生存・繁殖の利益を得る関係を「共生」といいます。
密接に関係する複数の主が、お互いに影響しあいながら進化することを「共進化」といいます。

新宿御苑の温室でも栽培されているラン アングレカム・セスキペダレとキサントパンスズメガがその例です。動けない植物は、生き残るために送粉者である昆虫を呼び込むためのさまざまな作戦を立て、進化していくのです。


(新宿御苑温室で栽培:たいへん長い距をもつアングレカム・セスキペダレ)

さらに共進化には微生物の関わりも重要です。ある実験では、ウィルス感染した植物に送粉者である昆虫が多く集まるという結果が出ています。微生物も自らは動くことはできないので、植物を操作し、昆虫を媒体として生き残るように操作しているのだそうです。

結論として、『赤の女王仮説(ルイス・キャロルの小説「鏡の国のアリス」に登場する赤の女王による「同じ場所にとどまるためには力の限り走らなければならい)-生存競争に勝ち抜くためには進化しつづけなければならない』ということが言えるそうです。

環境の変化に合わせて生き物は進化し続けています。これから先も共進化なしでは考えられないようです。
複雑に関わり合いながら変化に対応し続ける生き物のお話は大変興味深いお話でした。

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