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庭園を守るお仕事通信3月号【菊班】

庭園を守る取り組み

11月に開催する菊花壇展の準備が菊栽培所で進んでいます。

菊花壇展のなかでも、ひと際目を惹くのが大作り花壇ではないでしょうか?
今月は大作り花壇の作業から「竹組み、結い立て、摘芯」をご紹介します。

大作り花壇の菊は冬の間、最低気温12度を保った温室で管理しています。暖かい栽培室内に虫が入ってきますので、虫が嫌がる赤と緑の波長のライトで虫除けをしています。それ以外のライトは植物の成長を促す波長のライトで、菊が花を咲かせずに冬でも茎が伸びる様に育てる為につけています。

去年の7月に6号鉢で育て始めた大作り菊は、秋に10号、今年に入ってからより大きな15号鉢に植え替えました。成長にしたがって植え替えを行い、根の伸びる場所を確保すると、地上部も更に伸びてゆきます。

15号鉢になってから竹組みを行います。まず、縦にアルミの支柱をたて、横方向は竹を渡して組みます。しっかりした支えがあることで、菊も安心して伸びていくことができます。伸びていくにしたがって竹が渡せない部分も出てきます。その部分はラフィア(ヤシの葉を加工して作られた天然の繊維)を渡して、伸びた茎を支えます。


横に渡す竹は、一段目と二段目の支柱のつなぎ目を利用して位置を決めます。そうすることで安定するからです。それより上の部分は摘芯した少し上に竹が渡るようにします。伸びてきた新しい芽がその竹で支えられます。

大作りは摘芯によって芽数を増やしていきます。1かい目の摘芯で5本の芽が出て茎が伸びていきます。そして2回目の摘芯でまた5本の芽が出て茎が伸びていきます。3回目以降は植物の勢いが少し落ちてきますが、2~3本の芽を出すように育てます。これを繰り返すことによって、最終的には600本程の茎にして500以上の花がつくようにします。理想の高さにあわせて伸びるように竹組をして育てていきます。

また、摘芯した後に伸びてきた茎が裂けてしまわないようにテープでとめておきます。

この作業を梅雨が始まる前まで行い、この温室から出せるギリギリのサイズまで育てて、次の栽培室に移動します。

この温室で育てているたくさんの中から最終的に3つだけが選ばれて11月の菊花壇展で日本庭園の晴れ舞台に登ります。

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