庭園を守るお仕事通信8月号【植生班】
本日は植生班の作業から「折れ枝の処理」をピックアップしてご紹介します。
新宿御苑が現在の形になったのは、今から117年前の明治39(1906)年のことです。
開園当時に植えられた植物は、樹齢が100年を超え
、現在も多く園内にあります。樹木は基本的に、自然樹形のままで管理しています。特にサクラは樹齢が高く、大きいのでが折れてしまうことがあります。
植生班のスタッフが、中の池近くで、サクラの古木の大きな枝が幹の付け根近くから折れているのを確認し、対応している様子を取材しました。
まずお客様の安全を確保し、危険が無いか確認します。その後、電動チェーンソーなどで折れた場所の近くで切り落とします。次に細い部分は、トラックに積める大きさに、太い部分はさらに短くなるまで切っていきます。
切った枝は、菊管理栽培ヤードの一画に集めて、チッパーという機械でさらに細かく砕き、チップ化します。
チップにしたものは、2~3年の間寝かせて十分に発酵させた後、園内に播きます。チップを地面に敷くことで、地面や木の根もとを保護する効果がある他、植物性のチップは木の栄養(肥料)としても役立ちます。
また、一般家庭などにおいては、木の枝などはゴミとして回収されますが、チップにして再利用することでゴミの削減にもつながっています。
新宿御苑では、循環型社会の取り組みの一環として、折れ枝や剪定などで出た木材を利用しています。また、かかり枝や倒木などに常に注意を払い、お客様が安心、安全に過ごしていただけるよう心がけております。
作業中はご不便をおかけしますが、ご理解ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。