日本絶滅危惧種展を開催しています
6月5日は環境の日です。1972年6月5日からストックホルムで開催された「国連人間環境会議」を記念して定められたものです。
国連では、日本の提案を受けて6月5日を「世界環境デー」と定めております。
環境庁の主唱により、日本では平成3年度から6月の一ケ月間を「環境月間」としています。
多くの人たちに環境保全についての関心と理解を深めてもらい、積極的に環境保全に関する活動を行う意欲を高めるため、国や地方公共団体において、さまざまな環境保全の行事を実施することと定められています。
新宿御苑では毎年6月に、日本絶滅危惧種展を開催しています。
絶滅危惧種とは、絶滅のおそれが生じている野生生物のことを指します。日本では環境省がレッドリストとして公表しています。
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植物の絶滅を引き起こす原因のひとつは私たち人間の活動です。森林伐採や開発など環境の変化により、生息地そのものが危うい状況に置かれているものも少なくありません。また違法な採取や従来なかった植物が持ち込まれたことによって、生息場所を追いやられて数を減らしてしまう場合もあります。植物は本来の生息地で保全することが原則ですが、生息地での存続が困難な状況に追い込まれた種を守るためには、一時的に生息地外において保護することも重要です。
(イワウラジロ:絶滅危惧ⅠB類(EN))
新宿御苑は、社団法人日本植物園協会の植物多様性保全拠点園として、また、植物園自然保護国際機構(BGCI)が定める「植物園の保全活動に対する国際アジェンダ」の登録園として、絶滅危惧植物の生息域外保全に取り組んでいます。
種の保存法に基づく国内希少野生動植物種としては、レッドリスト記載種の約170種(うち絶滅危惧種約140種)について栽培を行っています。
また、2008年10月から絶滅危惧植物の種子保存を行っています。種子は植物そのものに比べて小さいため取り扱いがしやすく、場所を取らずに保管することができます。万が一、野生の植物が失われても、種子から栽培して増やしたり、自然に戻したりと、研究・保護活動への活用が期待されています。
さらに日本植物園協会および各植物園などと連携して、全国から種子とその自生地の情報を収集し、御苑内の施設で長期保存を行っています。
2018年からは、保管している種の一部を播く試験も行い、結果や栽培方法はデータベース作成に役立っています。
秋の七草でお馴染みの植物も絶滅のおそれがあります。この企画展を通して、自然保護の大切さを知っていただければと思います。
(キキョウ:絶滅危惧Ⅱ類(VU))
【会期】2023年5月30日(火)~6月11日(日)
【時間】10:30~12:00 13:00~14:30
【会場】温室栽培ヤード冷温室
※会場入口は旧洋館御休所近くになります。