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庭園を守るお仕事通信5月号【菊班】

庭園を守る取り組み

11月の菊花壇展。1本の茎から500輪以上の花を咲かせ、お客さまを驚かせるのが大作り花壇です。
本日は、菊班の5月の作業から「大作りの伏せ込み」をピックアップしてご紹介します。

大作りは3回伏せ込みを行います。今回の作業は1回目です。5月の上旬に10号鉢から植え替えて、1週間ほど経ってから作業を開始します。

伏せ込みとは、良く育っている枝と生長が悪い枝をバランスよく日に当てて、成長の優劣が無くなる様に枝の生長を調整する作業です。
植物は、光の方向に伸びる性質があるため、光が良く当たる上側だけがぐんぐん育ちます。
良く育っている枝を横に寝かせ(伏せ込む)ることにより、下から伸びてくる枝もまんべんなく生長できるように調整します。

伏せ込みの目的は2つあります。
ひとつは今後の作業をやりやすくするためです。
大作りの形は半円形で、たくさんの枝を決まった位置に配置して花を咲かせます。その時、枝が真っ直ぐだと、すぐに折れてしまい、自由に動かすことができません。早い段階から曲げてくせをつけておくことによって、ある程度枝を自由に動かすことができ、本花壇に移した時に作業がやりやすくなります。

もうひとつは、鉢全体を平均的な強さにするためです。
良く育っている枝を外側に横に寝かせ(伏せ)、弱い枝を日がよく当たるように内側に立てます。このようにして、株全体のバランスを整えます。

スタッフは、5本に分枝した枝をよく見比べて、それぞれを適した位置に配置し、ラフィア(ヤシの葉を加工して作られた天然の繊維の紐)で結んでいきます。
伏せ込みにはルールはありますが、枝の強弱を見極め、今後の成長具合を予測し、なおかつバランスよく枝を伏せ込むには、経験とセンスが重要です。

夏季は菊がどんどん成長します。約1カ月後には2回目、8月上旬頃には3回目の伏せ込みを行います。
11月の菊花壇展で、伝統の技術をじっくりご覧ください。

 

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