庭園を守るお仕事通信12月号【温室班】
本日は、温室班の12月の作業から「窓や遮光カーテンのメンテナンス」をご紹介します。
温室やバックヤードの栽培室では、植物が生育しやすいように気温が一定になるように管理しています。冬はボイラーで温めますが、夏はガラス張りの温室や栽培室に直接太陽光が差し込み高温になるので、植物にとって過酷な環境になります。新宿御苑の温室では、室温が25度を超えると自動で天窓が開き、館内に巡らせているクールチューブで夏場のみ地中の冷気を取り入れています。そしてスタッフが壁面の窓を開け、館内の各所に設置した送風機で空気を循環させて暑さがこもらないようにしています。実は真夏の温室は涼しいと感じます。
栽培室でも25度を超えると自動で窓が開き、天井に設置されている送風機で空気を動かします。また、強過ぎる日差しは植物を弱らせるため、日差しを遮るグレーの遮光カーテンで植物を守ります。また強風の日は、遮光カーテンが風にあおられ飛んでしまう恐れもあるため閉じるなど、天気に応じてスタッフが開閉を行っています。
栽培室の窓や遮光ネットの重点的なメンテナンスは、冬に行います。
遮光ネットは温室の外側に設置されている為、直接強い風や雨が当たりますので、調節するケーブルを補強していきます。壊れている部分がないかしっかり確認していきます。
植物を管理している栽培室内は、湿気で金属部分に錆が発生します。
窓の開閉がスムーズにできるようにアーム部分に潤滑油をさします。
数日かけてバックヤード栽培室8棟すべての窓と遮光ネットの調整を行いました。
絶滅危惧種や貴重なランを含む多くの植物の栽培を行っている栽培室。安心して管理できるように、建物の管理も温室スタッフの大切の仕事のひとつです。