9/22造園植物研修会の講師協力を行いました
9月22日(木)、(一社)東京都造園緑化業協会の主催する「造園植物研修会」において講師協力を行いました。
東京都造園緑化業協会は東京における緑環境の大切さを伝えるため、都市緑化の推進や技術の普及啓発といったさまざまな事業に取り組んでいます。
本日の研修会は造園緑化知識の向上を目的に開催され、造園関係者を中心に21名が参加しました。
はじめにインフォメーションセンター2階のレクチャールームに集合し、東京都造園緑化業協会技術委員長の鈴木義人氏が挨拶を行いました。
次に国民公園協会新宿御苑の本荘暁子が「新宿御苑」について歴史や庭園の成り立ちをご紹介しました。
続いて、(有)緑花技研の藤田茂氏を講師に迎え、挨拶を行った後「造園植物材料研修」をテーマに苑内視察を行いました。
美しい庭園をつくるのに欠かせないのが木や草などの植物です。約250種1万本の木が生育する新宿御苑を巡りながら、おもな庭園樹の特徴や性質、管理方法について学びました。
次に菊栽培場へ移動し、国民公園協会新宿御苑の菊班職員が解説を行いました。
新宿御苑では毎年11月1日~15日に秋の伝統行事「新宿御苑 菊花壇展」を開催しています。会期中は日本庭園内に上家(うわや)とよばれる建物を設け、皇室ゆかりの独自の様式を基調に菊の花を飾り付けます。
展示する菊はすべて新宿御苑で育てたもの。こちらの専用栽培場で、菊栽培の担当スタッフが一年かけて菊花を栽培しています。
最後に温室の視察を行いました。温室班職員が講師役を務め、温室館内を順路に沿って巡りました。
新宿御苑の温室の歴史は、明治8年(1875)に建てられたガラス張りの温室から始まったとされています。当時の御苑は内務省所管の農業試験場で、海外産の植物の栽培や研究が進められていました。
明治12年(1879)に宮内庁の所管となり、温室内で栽培したメロンやイチゴなどの果物や西洋野菜を宮中晩餐会で供し、洋ラン等の温室植物で宮廷を装飾するなど、国内外の賓客をもてなしました。
現在の温室は、平成24年(2012)に絶滅危惧種の保存・展示を行う環境配慮型施設としてリニューアルオープンしました。
館内には熱帯・亜熱帯の植物を中心に約1000種の植物の常設展示を行っています。また、毎年11月下旬には洋ラン展を開催しています。
3時間の研修会でしたが、参加者の皆様からは植物の生態をはじめ、水やりや剪定といった管理方法など技術的な質問も多く寄せられました。
国民公園協会ではこれからもさまざまな交流を通して、新宿御苑の植物や自然、庭園をよりよく未来へ繋いでいけるよう取り組んでまいります。