庭園を守るお仕事通信8月号【菊班】
本日は菊班の8月の作業から「肥後菊の3回目の摘芯後の作業」をピックアップしてご紹介します。
肥後菊は、古くから肥後(熊本地方)で作られた一重咲きの古典菊で、おもに武士の精神修養として発達しました。栽培方法や飾り方は、江戸時代に熊本で確立した、秀島流(ひでしまりゅう)の厳格な様式に基づいています。
一本の株を分枝させ、決まりごとに則り仕立てていく技法です。
-3回目の又寄せ-
春に鉢上げした株は3回目の摘芯が終わり、枝が4本から8本になりました。二股になったものを近くに寄せることを又寄せといい、8本を2本ずつ又寄せし、4組にします。3回目は二本の芽が離れすぎないようにV字に寄せるのがポイントです。
-枝の配置と結い立て-
10月に本仕立てを行う際に、花の配置が様式に則るよう、11月の本花壇での姿を予想して、今のうちから枝を振り替えて支柱にとめていきます。
-振れ止めー
台風に備えて強風や強い雨で、芽先や枝どうしがぶつかって傷まないように、ラフィアで優しく支えます。
肥後菊は花の配置や鉢の並べ方、手入れに至るまで細かい決まりごとがあります。新宿御苑では伝統を守りながら、11月の菊花壇に向けて準備を進めています。