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庭園を守るお仕事通信4月号【植生班】

庭園を守る取り組み

本日は植生班の4月の作業から「ハチトラップの設置」をピックアップしてご紹介します。

「園内の木々にぶら下がってるペットボトルは何でしょう?」と、お客さまよりお問い合わせを頂きます。
園内散策をされている時に、ご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これは「ハチトラップ」で、毎年春に新しいものを設置します。
冬眠から目覚め、巣作り活動を始めるスズメバチの女王を捕獲し、発生数を減らす効果があります。

ハチトラップは、園内で収集したペットボトルをリサイクルし、職員がひとつずつ手作りしています。
まずペットボトルに番号を書いた後、3~4センチくらいの大きさの穴を開けます。

次に、トラップ内にスズメバチを誘うため、甘い味と香りのするジュース等の液体を入れます。
強い匂いに誘われてやってきたハチがお腹いっぱいになるまで液体を飲み、体が重くなり飛び上がれなくなるという仕組みです。

日光の当たる場所は蒸発しやすいため、多めに入れるなど設置場所ごとに量を調整します。
取り付け用の紐は、カラスが紐をほどいてハチトラップを落としてしまうことのないよう、二重に固く締めます。

昨年までのデータを参考にしながら、今年は園内125箇所に設置しました。

毒針を持つ怖い生き物という印象が強いスズメバチですが、農作物などを食べる毛虫などの害虫を食べる益虫という一面もあります。また、鳥やクモなどの生きものに食べられてしまうこともあり、新宿御苑の中でも自然生態系の大切な一員になっています。

これからの季節、ハチの活動が活発になりますが、刺激を与えない限り、人を刺すことはめったにありません。ハチに出会ったら、手で払ったり急に動いたりせず、じっとして飛び去るのを待ちましょう。
これからの季節は植物とともに昆虫も活発に活動をはじめます。地球に生息する一員として、必要以上に恐れず、上手く共生していきたいですね。

植生班は日頃より、快適で安全な庭園を目指し、新宿御苑の芝生や草地、樹林地の維持管理を行っています。また、今日に受け継がれてきた御苑の歴史や文化を基調とした、貴重な自然遺産である豊かな自然環境資源の保護育成と循環利用に取り組んでおります。

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