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庭園を守るお仕事通信2月号【植生班】

庭園を守る取り組み

本日は植生班の2月の作業から「枝の更新」をご紹介します。

植物は自己再生能力がもともと動物よりも優れており、大きな幹が枯れても根元や別の幹から新しい芽が出てきます。これを植木屋さんたちは「若返り」と呼んでいます。
御苑の桜(主にソメイヨシノ(染井吉野))も、冬の落葉期に枝の更新(大枝剪定)をして若返り(樹勢回復)を図ります。

どの枝を伐(き)るか植生スタッフが選定し、作業にあたります。高い部分については、高所作業車を使用します。根が弱っているため枝先まで養分がまわらない古い枝を剪定したり伐ることにより、若い枝に栄養分を集中させ、刺激を与えることで樹勢の回復を促します。


ソメイヨシノは比較的ひこばえや胴ぶきが出やすい性質の木なので、これを利用して古い大枝を伐り、更新作業を行っております。樹木全般、枝は伐った場所から菌が入り、枯れたり腐ったりしやすいため、伐った部分には癒合剤(ゆごうざい)を塗布して、菌が入らないように養生をします。

「桜の枝を伐ってもいいの?」と思われる方もいますが、新宿御苑では樹勢回復を見込めるソメイヨシノなどで大枝剪定を行っています。

(左:剪定前・右:剪定後)

桜も人間と同じように、樹齢を重ねると代謝が衰え、光合成の働きが悪くなります。古い枝葉で光合成を行っても、土台である根まで充分に栄養がまわらず、また、根も葉先まで十分な養分を送ることが出来ずに根自体が弱り、やがて枝や幹を支えられず倒れることがある為、このように手をかけて桜が長生きできるように手助けをする作業しています。

作業中はご迷惑をおかけいたしますが、みなさまのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

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