庭園を守るお仕事通信1月号【菊班】
本日は菊班の1月の作業から「落ち葉集め」をピックアップしてご紹介します。
菊栽培の上で欠かせない作業が腐葉土作りです。腐葉土とは、落ち葉を分解・発酵させたもので、植物を栽培する際に、ほかの用土に混ぜ込んで使います。腐葉土を使うと、通気性・保肥性・保水性がよくなります。
腐葉土は、使う落ち葉の種類によって性質が変わってきます。
新宿御苑の菊栽培において必要な腐葉土は、水はけのよいものです。そこで、マテバシイやスダジイなどの常緑樹が葉の生え変わりのために落とした葉を、毎年1~2月に集めて腐葉土の材料にします。
常緑樹の葉は、形が残りやすいので菊栽培用の腐葉土に適しているのです。
まずはブロアー(送風機)で地面にたまった落ち葉をおおまかに集めます。
次に、熊手で葉をさらに集めて、細かい枝などは分解されにくいので手作業で取り除きながらシートで包み、運搬車に運びます。
運搬車は菊の栽培所にある落ち葉貯めでおろし、米ぬかや油粕などの発酵促進剤を撒いておきます。落ち葉貯めがいっぱいになるまで繰り返し集めます。
集めた落ち葉に水を撒き、発酵が均一になるように、20日~1か月に1回、重機を使って上と下の落ち葉を撹拌する「切り返し」という作業を4月くらいまで行います。
あまり長い期間発酵させてしまうと、葉が細かくなりすぎて、水はけの悪い、御苑の菊の栽培には不向きな腐葉土になってしまいます。
こうしてできあがった腐葉土を使って菊は生長し、みごとな花を咲かせ、11月の菊花壇展で飾られます。
園内作業中はご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。