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2014新宿御苑フォトコンテスト入賞作品【上位四賞】および審査員総評

フォトコンテスト入賞作品

【主催者あいさつ】

「2014新宿御苑フォトコンテスト」入賞作品展にご来場いただき、誠にありがとうございます。このコンテストは、カメラを通して新宿御苑の自然の素晴らしさを感じ楽しんでいただくため平成3年度から開催され、今年で24回目を迎えました。
今回も北海道から大分と全国各地516名のみなさまから2022点の応募をいただきました。歴代6番目となる2千点を超える多数の作品が寄せられ、いずれも甲乙つけがたい力作ばかりでしたが、厳正な審査を経て入賞作品が選ばれました。
写真展にはこの入賞作品とあわせて、審査にあたられた写真家の特別作品を展示いたしました。多くの方々にご覧いただき、新宿御苑の四季折々の表情と自然の美しさを楽しんでいただければと思います。
フォトコンテストの実施及び写真展の開催にあたり多大なるご支援をいただきました、環境省新宿御苑管理事務所、富士フイルムイメージングシステムズ株式会社ならびに関係各位に厚く御礼申し上げます。

一般財団法人 国民公園協会新宿御苑 会長 福澤 武

【審査員総評】

今回のフォトコンテストの応募作品を見て感じたことは、応募作品のプリント品質が大きく向上していることでした。これはデジタルカメラの性能と共に、応募者個々のプリント技術も向上したためだと思います。フィルム時代は色やコントラストの明確な基準がありましたが、デジタルは撮影者に任されます。そのため作者の印象を強調し過ぎ、違和感のあるプリントもありました。その傾向が減少し、作者が強い印象を受けたものを見る者に自然なイメージで伝えられることは、写真を楽しむ者にとって喜ぶべきことです。
私が御苑の撮影を始めて十数年になりますが、今回の入選作にはこれまで見たことがない光景が写されたものが何点かありました。これが御苑の魅力で、季節や天候によって様々な表情を捉えることが可能な場所です。来年はこのコンテストも25回目を迎えますが、全国で毎年数多く行われるフォトコンテストで四半世紀に及ぶものは多くありません。御苑には今後もコンテストを末永く継続して頂くことをお願いすると共に、訪れる我々は維持管理に汗を流してくださる方々に感謝しながら節度を持って撮影に当たり、さらに素晴らしい光景を捉えて頂きたいと思っています。

写真家 木村 正博
写真家 岡本 洋子

【環境大臣賞】

雨上りの午後」 梅津 忠夫さん
地表近くにたなびく靄と、赤味を帯びた空の雲。小学校で歌った「牧場の朝」という唱歌を思い出させる光景です。天を衝くように屹立するユリノキと、画面左下の二人の男女のシルエットが遠近感を強調しています。晩秋の冷え込みと、朝からの雨が上がったところに日が射しこんで起きた現象のようですが、実にめずらしい光景をいいフレーミングで捉えられました。
撮影日:2014年11月29日
撮影場所:風景式庭園

【環境省自然環境局長賞】

The famous three windows」 ウィリアムズ デヴィッドさん
旧御凉亭内から雨の日本庭園を写したものですが、三つの窓を効果的に使っています。一般的には一つの窓を額縁のように配して写しがちですが、三つの窓とその上の欄間の模様を組み合わせて変化を付けたのが効果的でした。石畳の室内にも雨が吹き込んだ様子が感じられ、しっとりした情緒が溢れています。
撮影日:2014年10月22日
撮影場所:日本庭園

【環境省新宿御苑管理事務所長賞】

特等席」 山下 巧さん
桜の花弁が地表を覆い、ピンクの絨毯のように見える桜園地のベンチで寛ぐ女性。シュシュの赤い色がポイントになり、単純な構成ながら御苑の春らしさを強調した画面になっています。白い空の面積を小さくし、画面の上下の暖色を上手に使ったのが効果を上げています。
撮影日:2014年4月5日
撮影場所:桜園地

【(一財)国民公園協会新宿御苑会長賞】

夕日を受けて」 宮地 隆弘さん
新装なった温室と、NTTビルの組み合わせが効果的でした。作品を見た後、この場所がどの辺か歩いてみましたが、長年御苑を写している私も見落としていた視点でした。温室のガラスに映り込んだ夕映えも効果的で、暗い空と見事なコントラストを見せています。
撮影日:2013年4月4日
撮影場所:温室

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