【6/15】江戸の美
正岡子規の俳句「六月を綺麗な風の吹くことよ」のごとく、爽やかな風が吹き渡る二の丸庭園。
菖蒲田では江戸系花菖蒲が花を開かせ、訪れる人たちを魅了しています。
豊かな色彩の花弁と多様な花形、整った株姿にすっきりと粋な雰囲気。
江戸っ子気質を連想させる華麗なる花たちは、初夏の陽ざしを浴びて光り輝き、冷雨に濡れながら艶やかな輝きを放っています。
今回は、各花ごとに名が付けらている皇居東御苑の花菖蒲をいくつかご紹介します。
【鳳凰冠】


神秘的な美しさに加え、鳳凰が優雅に羽を広げたかのような花弁。まさに皇族や高貴な女性の御頭を飾っていた冠のようです。
【色彩の織り成す世界】



紫紺や青紫などの紫系を中心にした花が咲き誇っている中、清らかな純白の「湖水の色」が人目を惹きます。濃紫から白への優美で繊細なグラデーションは、静寂の世界にいざなってくれるかのようです。
【雨に濡れる白い絹糸】
梅霖降る皇居東御苑。雨音に耳を澄ませながら歩く菖蒲田で目を惹いた「白糸の滝」。淡藤色の優美な花弁に浮き出ている儚げな白筋。まるで、幻想的な滝を見ているかのようです。雨雫がたおやかな美しさを引き立てています。
【江戸の粋花】
美しい花の競演が愉しめる菖蒲田で際立った存在感を放っている「江戸自慢」。日本の伝統色である江戸紫の花弁に力強くもすっきりとした立ち姿に、花道を颯爽と歩く助六の姿が重なります。
※助六は、歌舞伎「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」の登場人物です。
※助六は、歌舞伎「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」の登場人物です。