【小さな春の訪れ】
来月4日は立春-暦の上では春-を迎えますが、春を告げる花といえば「梅」。
今回は、東御苑の梅林坂にある約50本の紅梅と白梅から、厳しい寒さに耐えて花を咲かせつつある梅たちをご紹介します。
「コウトウジ(紅冬至)」
冬至あたりから開花する早咲きのウメです。淡い紅色に可愛らしい丸い花びら、ほのかに甘く優しい香りが、やわらかな光に満ちた春にいざなってくれる気がします。
【シントウジ(新冬至)】
こちらも冬至のころから咲き始める早咲き品種です。寒空の下、気品ある白い花を咲かせる姿は「的皪(てきれき)」という言葉を思い出します。
【小さな訪問者‐メジロ】
撮影中、どこからか「チーチー」という鳴き声が聞こえてきました。さえずりが聞こえる方向に引き寄せられるように向かった先で目に飛び込んだのは、揺れ動くコウトウジの花とちらりほらりと舞い落ちる花びらたち。そして瞳を凝らした先には「メジロ」の姿。富安風生の俳句「見えかくれ居て 花こぼす 目白かな 」が頭をよぎります。なお、メジロの体はウグイスと似ていますが、目の周りの白い縁取りが特徴かつメジロの可愛らしさを引き立てています。
【梅林坂のウメ】
梅林坂は、文明10年(1478年)に太田道灌が坂の上に天神神社を祀った際、ウメを数100株植えたことに起因しています。その後、整備され現在に至ります。四方を城壁で囲まれた梅林を愛でることができるのは、国内でも珍しいようです。ぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。