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北の丸公園の歴史遺構と秋散歩

四季の風景

森林公園として整備され、四季折々の風景を楽しむことができる北の丸公園。
今回は紅葉散策の際にお立ち寄りいただきたい公園の出入り口となっている2つの歴史遺構をご紹介します。

北の丸公園はその昔、江戸城の北側に位置しており、三代将軍家光時代には屋敷がありました。
その後、享保16年(1731)に田安家と清水家の屋敷地となり幕末まで続き
昭和44年(1969)には昭和天皇の還暦を記念して北の丸公園として整備され、現在に至っています。

 


(千鳥ヶ淵)

九段下駅の2番出口からすぐ目の前に広がるのが牛が淵と千鳥ヶ淵のお濠です。
春には多くの人が訪れる桜スポットでもあります。

 


(田安門)

牛ヶ淵と千鳥ヶ淵の間に位置し、北の丸公園の出入り口でもあるのが田安門です。

田安門は高麗門と渡櫓門からなる『枡形』の門です。

枡形門とは第一門(高麗門)の先に枡形のスペースがあり、右、もしくは左に曲がった先に第二門(渡櫓門)が設置されています。
この形は敵陣が襲撃してきた際に足止めの役割をしており
枡形のスペースに閉じ込め渡櫓門から鉄砲や槍などで襲撃することを想定しています。
桝形門は徳川家康が命じた江戸城各門の特徴でもあり、桜田門や清水門もこの形をしています。

寛永13年(1636)に建てられたと考えられており、昭和38年に解体修理が行われました。
現存する江戸城建築遺構の中では最古のもので、昭和36年(1961)に国の重要文化財に指定されています。

 


(清水門)

田安門同様に昭和36年(1961)に国の重要文化財として指定されている清水門。

創建年代は不明ですが、元和6年(1620)には既に存在していた記録があり
現在のものは明暦の大火後の万治元年(1658)に再建されたと考えられています。

 

門を抜けた先には雁木坂(がんきざか)という石と土で作られた江戸時代のままの階段が残っています。
高さと幅があり間隔の空いた様が『雁』という鳥が並んで飛んでいる姿に似ていることから名付けられたと言われています。

上りづらく歩きづらい階段ですが、当時の状況を知る上でも貴重な遺構の1つです。

 

北の丸公園は自然豊かなだけでなく江戸時代の雰囲気を感じることのできる貴重な公園でもあります。
紅葉を楽しみながら歴史にも触れてみてはいかがでしょうか?

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