小さな秋
「桜田門そばのヒガンバナ」
一年の間で昼夜がほぼ同じ長さとなる秋分の日。
ここから徐々に日が沈むのが早くなっていき本格的な秋が到来します。
夏や冬の到来を示す夏至や冬至は祝日ではないのになぜ春と秋は祝日になったのかご存じでしょうか?
春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日、
秋分の日は「祖先を敬い亡くなった人をしのぶ」国民の祝日として定められています。
それは、宮中行事の「春季皇霊祭」「秋季皇霊祭」に由来しているためです。
皇霊祭とは皇霊殿で行われる大祭で
歴代の天皇・皇后・皇親の霊を祭る儀式として古来より重視されていたため祝日として制定されました。
今回は皇居周辺や北の丸公園でみつけた小さな秋をご紹介です。
「ヒガンバナ」
反りかえった特徴的な赤い花が遠くからでも目立つヒガンバナ。
秋の終わりに葉が伸びて翌年の初夏に枯れるという、多年草としては珍しい性質を持っています。
園内に群生して咲いてはいませんが、真っすぐと伸びた茎と美しい赤い花の姿を見かけると秋を感じるますよね。
「サルビア・レウカンサ」
全体が細かい毛で覆われ、ビロードのような見た目をしているのが特徴のサルビア。
青紫色の花が緑に映えてとても綺麗です。
「ススキ」
秋の七草のひとつでもあるススキ。
春の七草はお正月明けにお粥にして食べる方もいるかと思いますが、秋の七草があるのをご存じでしょうか?
お粥にして食べることはありませんが、万葉集に納められている歌が由来とされており
秋を楽しむ花として秋の季語にもなっています。
「キンモクセイ」
姿は見えなくても風にのってキンモクセイの香りがすると秋の訪れを感じる方も多いのではないでしょうか?
1つ1つは小さなお花ではありますが、甘い独特な香りは遠くにいても存在感が漂ってきます。
昼間は日差しがあるとまだまだ暑い日もありますが、時折吹く風が冷たく秋を感じます。
散策の際は暑さ対策も忘れずに、ちいさな秋の訪れを探してみてはいかがでしょうか?