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【ご存知ですか?シリーズ第2弾】~江戸時代の土器が出土!和田倉遺跡の歴史と変遷

皇居外苑の見どころ

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 ご存知ですか?シリーズ第二弾。今回は『江戸時代の土器が出土!和田倉遺跡の歴史と変遷』をお届けします。

 東京駅北口から皇居に向けて伸びる行幸通り。その右手に位置する和田倉噴水公園は昭和36年に今上天皇の御成婚を記念して建てられた都心のオアシスです。実はこの公園を含む地域は、江戸時代には多くの大名屋敷が存在していた場所。噴水公園改修工事の際には、江戸時代の土器が多数出土されました。

 

 

◎江戸城下の中でも重要な場所『西の丸下』

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 和田倉地域を含む現在の皇居外苑は、旧江戸城に隣接しており、「西丸下」とよばれていました。もともと日比谷の入り江の一角を占めた地域で、江戸時代初期に埋め立てられています。

 江戸城内閣に囲まれ数多くの城門が存在した西丸下は、「老中」・「若年寄」といった幕閣を務めた大名の屋敷も軒を連ね、江戸城下でも重要な位置を占めた地域でした。

 

◎和田倉遺跡の変遷

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 徳川家康の入府直後に日比谷の入り江であった西の丸一体の埋め立てが行われましたが、埋め立て後に和田倉地区が敷地として活用されたのは慶長期(1596~1615)です。はじめは蔵が置かれ、「一の蔵地」と呼ばれる幕府の重要な施設でした。

 この蔵は、遺跡北側を流れる道三堀を利用した海上交通の拠点であったと推定される場所。その後は「御用屋敷」や「厩(うまや)」といった幕府御用地であったり、大名屋敷であったりと、20~50年の間隔で頻繁に変化していたようです。

 

◎発見されたのはどんな遺構?

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 平成6年8月下旬頃から1ヶ月程、和田倉噴水公園改修工事に伴い和田倉門に隣接する公園の一部で発掘調査が行われました。

 発見された遺構は、一部明治時代の可能性もありますが、大半が江戸時代のものとされ、先述した幕府御用地に関する施設や大名屋敷に関するものでした。土地自体が低地であったため、木材の残りがよく、建物の基礎構造や上水道などが腐らずに残っていたのです。また年号の書かれた「陶磁器」によって、年代がほぼ確定した遺構でもあり、多数の建築部材が出土しました。

 これらの建築部材は江戸時代の厩にあった建築物の概要を把握することのできるもので、江戸時代の遺跡では非常に珍しいものです。

 

◎江戸時代の地下室『穴蔵』 

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 江戸時代に大名屋敷などの「地下室」として利用されていた「穴蔵」が、和田倉遺跡でも発見されました。家臣の住む長屋や土蔵の建てられない小さな屋敷に作られることが多かったようです。和田倉遺跡の穴倉は、壁面と底面を板でつくったもの。天井を押さえたと考えられる柱も一部見つかっています。火災の多かった江戸では、この穴倉を家財道具の緊急避難用に使用したと記録に見られています。

 

◎江戸時代の水道を発見!

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 江戸の遺跡から分かる生活用水確保の方法は、直接井戸を掘る方法と、上水道を引いて井戸に溜める方法の二種類。

 主に台地など良質な水を確保できる場所では前者の方法もありますが、低地では良質の水を確保できないため、上水道を用いる場合が多いようです。和田区遺跡での上水道の構造は、木樋(もくひ)と呼ばれる木製の水道樋から直接、井戸に繋げて飲料水等を確保する方法が主体でした。江戸での上水は玉川上水と神田上水が主に配管されており、本遺跡では玉川上水から引いた上水道でした。

 

◎和田倉無料休憩所でも見ることができる『江戸時代の陶磁器』

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 和田倉遺跡では、屋敷替えや火災などに伴って捨てられた遺物が数多く発見されました。中でも多く発見されたのは「陶磁器」であり、漆器や橋、下駄などの木製品、煙管や銭貨なども出土しました。特に、江戸時代後期の「厩(うまや)」に関連する遺構は特徴的で、「安永二年」(1773年)「文化八」(1811年)という年号の入った陶磁器や「厩」と使用場所の入った陶磁器が見られました。これらの陶磁器は和田倉無料休憩所で一部が展示されています。

 

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 「江戸城跡 和田倉遺跡」は、その名の通り、江戸城の一角を占める地域です。発掘調査では、当時の人々が実際に使用していた生活用品や江戸という大都市を成り立たせた土木技術・建築技術を示す物的証拠が数々発見されています。どの遺跡からも当時の人々の生活の知恵を垣間見ることができるのです。

 

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参考文献(資料):江戸城跡 和田倉遺跡

発行:千代田区教育委員会

 

過去のご存知ですか?シリーズはこちら♪

ご存知ですか?シリーズ第1弾

 

 

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