2018年度 普及・啓発部会が楠公レストハウスで開催されました
平成30年8月22日(水)に楠公レストハウスにて、「一般社団法人 和食文化国民会議 2018年度第1回普及・啓発部会」が開催されました。楠公レストハウスで5回目の開催となる今回の部会ですが、『五節供』をテーマとして、旅の文化研究所 所長 神崎宜武氏による講演「五節供:重陽の節句について」をはじめ、五節供プロジェクト活動報告や「菊酒の体験」、さらに、伏木会長、神崎宜武氏、増田徳兵衛氏、平出淑恵氏によるトークセッション「重陽の節供~和食と日本酒~」が行われるなど、盛りだくさんの内容となりました。
もともと五節供は奈良時代に中国から伝来したもの。月と日が奇数で重なる日を「厄日」と考えたため、その日に厄払いの行事をしました。それが日本古来の信仰と相まって宮中の儀礼に取り入れられたことが始まりです。
五節供は1月7日の「人日(じんじつ)の節供」、3月3日の「上巳(じょうし)の節供」、5月5日の「端午(たんご)の節供」、7月7日の「七夕(たなばた)の節供」、9月9日の「重陽(ちょうよう)の節供」のことをいい、なかでも五節供を締めくくる節供として、江戸時代に庶民の間でも盛んに行われていた「重陽」は、別名「菊の節供」といわれ、もともと中国で「食すと長寿に効く」と考えられていた菊花を浮かべた菊酒が飲まれていたそうです。
トークセッション「重陽の節供~和食と日本酒~」では、古くから年中行事として行われてきた重陽の節供と、不老長寿やおめでたいイメージのある菊という文字を使用した銘柄が多い日本酒を、日本の伝統文化として世界に発信することへの重要性、可能性などが討論されました。
部会終了後に行われた懇親会では、楠公レストハウス 安部料理長による『重陽の節供』をテーマとした特別な献立が参加者に振舞われました。
メニューは菊花を入れた魚のすり身をベースにした饅頭に紫菊を載せた煮物や、新宿区立落合第六小学校校長竹村先生が指導し、小学生と共に栽培した八つ頭の芋茎をご提供いただき使用した、蟹・芋茎・菊花の古代米の酢漬の他、江戸時代の巻きずし「卵巻き」のシャリに菊花をあしらった寿司、そして江戸時代の再現菓子鯨もちと、米と米麹で作るお米の甘味料「米麹糖蜜」の寒天など、一品一品細部にまでこだわった献立の数々を、料理長の解説付きでお楽しみ頂きました。