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東御苑・江戸城天守閣跡のご紹介

皇居について

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 早いもので、2016年を迎え一月が過ぎようとしています。週末は各地で雪の予報となっており、冷え込みは一段と厳しくなりそうですね。

 本日の自分歩き・自然歩きマップ通信は、かつて江戸幕府の中枢部として国を動かしていた場所、東御苑内の「江戸城天守閣跡」をご紹介します。

 スタート地点は東京駅から徒歩10分の場所に位置する大手門。それでは、早速出発しましょう!

 

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 大手門は江戸城の表玄関です。「大手」とは、城と城下町をつなぐ門につけられた名で、大手町は御用商人の店が並ぶ町でした。

 

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 ここ大手門の左右十三町にわたる石塁と門の枡形石垣を改造したのが、伊達政宗。大手門という名誉ある門を幕府の命により引き受けたのは良かったのですが、当時富豪を誇っていた伊達家にとっても、このために要した費用や人員は莫大で、大変な痛手でした。

 

 

 

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 そんな大手門(渡櫓門)は、江戸の三大大火の一つ、明暦の大火(1657年)で焼失。その二年後に再建され、その後大戦の戦災で再び焼失したのち、ここ皇居東御苑の開園(1968)に合わせて再建され、現在にいたります。

 写真は明暦の大火後に再建された渡櫓の屋根を飾っていた鯱(しゃち)。

 

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 鯱の頭部には製作年とされる「明暦三丁酉」と記されています。

 

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 それでは、大手門渡櫓門を抜け、園内へ入場しましょう。

 

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 門を抜けてすぐ左手にある窓口で、入園票を受け取り中へ。

 

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 園路の脇では紅梅の花がちらほらと咲き始めていて、散策中の来園者の視線を集めていました。

 

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 大手門から入場し園内を道なりに100mほど歩くと右手に見えるのは「三の丸尚蔵館」。こちらは皇室に代々受け継がれた絵画・書・工芸品などを保存・研究・公開する施設です。入場無料で、定期的に展示が変更されるので、東御苑を訪れた際には是非お立ち寄り頂きたいスポット。

 

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 現在は石垣のみが残る、大手三ノ門跡を通過し、江戸城天守閣跡を目指します。

 

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 三ノ門入ってすぐ右手に佇むのは同心番所。警備の「詰所」のような場所です。

 当時将軍の住むこの先の「二の丸御殿」に登城する際、徳川御三家の尾張、紀伊、水戸以外の大名は、ここで駕籠を降ろされ、検問の後に、本丸や二の丸へ向かうことが出来たのだそう。

 

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 そのまま道なりに歩いて行く途中、ヤマガラの一生懸命なさえずりが聞こえてきたり・・・・・

 

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園路脇に咲くボケの花や・・・・

 

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マンサクの花がほころんでいるのを見つけました。少しずつ少しずつ、春に近付いている事を実感します。

 

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・・・・園路脇の花や野鳥の観察を楽しみながら、本丸跡に到着しました。現在は広々とした芝生の広場となっているこの場所に、江戸時代は幕府の中央政庁があり、将軍の政務を執るための部屋と私的空間、そしてドラマなどでお馴染みの「大奥」がありました。

 

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 そしてこの本丸大広場北側に、今なお圧倒的な存在感を放つ「江戸城天守閣跡」が存在します。近付いてみましょう。

 

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 天守閣の石垣の表面は煤がついたように黒くなっていますが、これは江戸三大大火の爪跡といわれています。

 

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 天守台に登る少し手前の芝地に残されているのは、「金明水」と呼ばれる名水の井戸。こちらは戦時に篭城を想定して掘られたもので、家光時代の小天守地階にもあったのだそうです。

 

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 金名水を見学したら、天守台の坂を登っていきましょう。

 

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 現在天守台の頂きは広いスペースとなっており、中央にはベンチが置かれ、のんびりと休憩している方がいらっしゃいました。

 かつて、室町時代後期の武将、太田道灌(おおたどうかん)によって1456年にこの地に築城された江戸城ですが、道灌の築いた城は簡素で小さかったのだそうです。

 

 

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 その後江戸城に入城した家康により大規模な城を含めた街づくりが開始され、1638年、三代将軍家光の代に江戸幕府の権威を象徴する、国内で最も大きな天守閣が誕生しました。

 しかしその19年後、1657年に発生した明暦の大火(振袖火事)により天守閣は全焼してしまい、その後二度と再建されることはありませんでした。

 

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 江戸時代も後期になると、庶民の間では花見や芝居などの娯楽が盛んとなりました。

 皇居外苑楠公レストハウスでは、江戸の庶民が晴れの日のご馳走として作っていた行楽弁当を、江戸時代の料理書を参考に再現した「江戸エコ行楽重」としてお客様に提供しています。

 東御苑でたっぷりと江戸時代の遺構に触れた後は、是非江戸の美味しい食文化もお楽しみください。

 

 

 

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