皇居を取り巻くお濠の石垣
昨日は東京で初雪が観測されましたね。本日朝方には最低気温1度を記録し、日陰の水溜りにうっすら氷が張っているのを見つけました。急激な冷え込みで体調など崩されないよう、皆様くれぐれもお気をつけ下さい。
本日の自分歩き・自然歩きマップ通信は、自分歩きマップ掲載「皇居を取り巻くお濠の石垣」をご紹介します。
さあ、マフラー、コートで防寒対策をしっかりしたら、冬の皇居散策へ参りましょう!
ひとことで「石垣」といっても、その積み方はさまざま。皇居の周りを散策する際に注意して石垣を見ると、先人達の知恵を使った多くの工夫点が見ることができます。
まずは皇居東御苑の入り口のひとつで、江戸城の背後を守った北桔橋門(きたはねばしもん)の両軸で見られるこちらの石垣。
ところどころ隙間が見られるこの積み方は、「野面積み(のづらづみ)」と呼ばれるものです。最も古い時代に使われていた工法で、今から400年前、信長・秀吉の時代から戦国時代の終わり頃までに用いられた技術。
自然石を積み上げ、平らな部分が表面に来るよう工夫しています。地震にも強く強固な工法で、皇居の多くの石垣で見られます。
次にご紹介するのは、石垣が直角になっている部分で見られる算木積み(さんぎづみ)。戦国時代末期以降の積み方です。
石垣の出隅(ですみ)部分に使われるこの工法は、直方体に加工した石の長辺と短辺を、交互に積み重ねて強度を保っています。
写真は和田倉濠の石垣で見られる算木積みです。和田倉橋の上からですと、すぐ近くでご覧頂けますよ。
最後にご紹介するのは皇居の西側で見られる土塁式。三段構造で、一段目に腰巻石垣、二段目に腹巻土塁があり、天端(てんば)は3m前後の平坦部、三段目は約3mの鉢巻石垣になっています。
こちらの土塁は牛ヶ淵、千鳥ヶ淵などで見ることができます。
江戸城の巨大で美しい石垣。皇居を散策していると景観の一部として何気なく通り過ぎてしまいがちですが、場所によって異なる石垣の積み方に注目しながら歩けば、より一層歴史散歩が楽しめそうですね!
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