旧江戸城外桜田門と桜田濠の渡り鳥
朝からひんやりとした冷たい空気が皇居を包み込んでいます。今回の自分歩き・自然歩きマップ通信は、自分歩きマップ掲載の旧江戸城外桜田門と、現在桜田濠で見られる渡り鳥をご紹介します。防寒対策をしっかりして、歴史・自然散歩へ出かけましょう!
地下鉄桜田門駅から徒歩3分。旧江戸城外桜田門(以下:桜田門)は皇居の南側に位置する門です。この場所から、約2000本のクロマツが立ち並ぶ皇居前広場を、石垣越しに望むことができます。奥にはずらりと立ち並ぶオフィスビル。江戸情緒と近代風景が楽しめる、とっておきのビュースポットです。
ふと石垣に目を向けると、そこには皇居前広場をじっと見つめるアオサギの姿がありました。この特別な景観を眺め、一体何を考えているのでしょうか。
昭和36年(1961)に国の重要文化財に指定された桜田門は、江戸城の中で最も大きな※枡形(ますがた)をもつ御門です。こちらは渡り櫓門。元和6年(1620)にこの門の石垣と枡形が完成し、寛永13年(1636)に修築されて、現在の形となりました。
※枡形門・・・城の入り口の形式のひとつ。曲(くるわ)内に入る為に、多く外には高麗門(こうらいもん)、内には櫓門(やぐらもんの)の二つの門を通るようにしたもの。
こちらは桜田門の高麗門。この門は1657年に発生し江戸中を焼き払った明暦の大火(振袖火事)で大破してしまいましたが、その6年後に再建。大地震や戦争を耐え抜き、当時の姿を維持しています。
この高麗門からは、まるでフレームに収まったかのような国会議事堂を眺めることができます。江戸情緒と近代建築が融合した、ここでしか撮影できない一枚です。
高麗門を抜けると広がるのは、広大な桜田濠。皇居を取り巻くお濠の中でも、最大の規模を誇るこの桜田濠で、バードウォッチングをはじめましょう。
早速現れたのはキンクロハジロ。真っ黒な頭に黄色い目が目立ちます。
フワフワとしたやわらかそうな白い毛並みにグレーがかった翼、真っ赤な足が特徴のユリカモメも、多く見られました。
赤茶色の頭に黒っぽい尾羽で、色合いが美しいこちらはヒドリガモ。仲睦まじく、広々としたお濠を自由に泳ぎまわっていました。この他にも、様々な種類の渡り鳥が、皇居のお濠に飛来してきています。
凛と澄んだ皇居の空気を存分に味わいながら、冬ならではの散策をどうぞお楽しみください。
皇居外苑楠公レストハウスでは、江戸時代の料理書を参考に作られた、「江戸エコ行楽重」や日本食伝統の一汁三菜メニューのご提供を行っています。散策途中にひとやすみされる際は、是非お立ち寄り下さい。
楠公レストハウスの詳細についてはこちら→https://fng.or.jp/koukyo/service/nanko-rest.html